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クリプトン運営の作品投稿サイト「piapro」、JASRAC著作権管理楽曲の投稿が可能に

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クリプトン・フューチャー・メディアが管理・運営する作品投稿サイト「piapro(ピアプロ)」において、10月19日より日本音楽著作権協会(JASRAC)に著作権の管理が委託された楽曲を投稿できるようになった。今後はJASRACが著作権を管理している楽曲に関して、営利目的での作品利用とpiaproを通じた非営利目的でのインターネットユーザーによる二次利用の両立が実現可能となる。

piaproは、2007年12月に「インターネットを活動の場とするクリエイターが、自らの得意なコンテンツ(音楽、歌詞、イラストなど)を投稿し合い、協業して、新たなコンテンツを生むための”創造の場”」として誕生した。piaproでは投稿作品に「原則として、投稿された作品は、非営利目的であれば、他のピアプロユーザーが自由に利用できる」という意思表示(ライセンス)を付与する機能があるため、作品を投稿するユーザーはその完全な著作権を有している必要がある。それゆえに、これまでは投稿するユーザーが作詞・作曲した本人であっても、著作権等管理団体に著作権の管理を委託した作品についてはpiaproへの投稿ができないという状況にあった。

piaproのリリースから年月が経過した現在、インターネットを活躍の場とするクリエイターは増えており、営利目的での作品の利用については著作権等管理団体に管理を任せている方も少なくない。一方で、そのようなクリエイターからも「非営利目的での作品の利用の場としては引き続きpiaproを利用したい」という希望が多く寄せられており、このたび、JASRACから正式に楽曲の利用許諾を受け、JASRACが「インターネット上での利用に関する著作権」を管理している音楽作品をpiaproに投稿できるようにしたという。

今後は、クリエイターが著作権をJASRACに信託している自作曲等を投稿し、piaproが有する作品のライセンス機能によってファンによる作品の二次利用を許諾。そして、その許諾された作品をファンが二次利用して生み出した新たな作品をpiaproに投稿することができる。通常、ファンによるこのような行為は「著作権」以外にも「著作者人格権」や、いわゆる「原盤権」等に関する手続きが必要だが、原作品の作者自らがライセンスを付与するpiaproでは、そうした手続きなしに安心して創作の輪を広げることができる。

なお現在、クリプトンは音楽の著作権等管理団体であるNexToneとも管理作品の利用許諾について協議を行っているとし、「これからもクリエイターの皆様の創作活動がより充実したものになるよう尽力いたします」と伝えている。

今回、piaproを利用しているJASRACメンバーのEasyPop氏、ねじ式氏よりコメントが届いている。

EasyPop氏 コメント

ピアプロさんのJASRACとの包括契約というのは、僕のような「JASRACに権利信託をお願いしていて、同人活動も行っている」クリエイターさん方には大変意味合いの大きい事だと感じています。

ネット音楽、VOCALOIDミュージックが、明らかにアンダーグラウンドなものではなくなった昨今、永くボカロP活動をされているクリエイターさん方は、現在ともなれば、商業活動をされていたり、事務所さんに所属されている方々も多くおられます。

「自由に聴き、自由に使い、自由に表現する」というVOCALOID文化、二次創作文化から離れることなく、「自らが楽しいから音楽を作り、それを聴いてもらいたい、使ってもらいたい」という、あるべき姿を無くすことなく商業活動等も並行して行っていけるという、とても有意義な出来事だったと感じています。

音楽を生業とする以上は権利と創作はセットです。

そのうえで、楽しいから好きだから創作を始めた、やっているという一番根幹を手放すことなく、幅広く音楽活動を続けていけるようになった今回の包括契約を、大変ありがたく感じているところです。

ねじ式氏 コメント

この10年で自身の作品を動画投稿サイトなどに投稿し、SNSを用いた告知で作品を直接リスナーに届ける音楽活動が一般的になってきたと思います。
今回のピアプロとJASRACとの契約はこの活動をさらに後押しする素晴らしいニュースだと感じました。

これからは自分自身で楽曲の著作権を管理しながら、国内、海外問わず創作活動を自由に行うクリエイターの存在が当たり前の時代が来るのではないでしょうか。