第8回JASRAC音楽文化賞にマスタリング・エンジニア 田中三一氏、マスタリング・エンジニア/カッティング・エンジニア 小鐵 徹氏ら4名が決定
日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月18日、第8回JASRAC音楽文化賞を発表した。
JASRAC音楽文化賞は、売り上げや利用実績などの数字には表れない地道な活動を行っている個人・団体・作品等に光を当て、音楽文化の発展に寄与した功績を称え顕彰することにより、今後の活動への励みとしてもらうことを願い、2014年11月に創設した。受賞者には表彰盾と副賞(30万円)が贈られる。
顕彰候補は全国各地の報道機関等から寄せられ、有識者で構成する選考委員会で選考が行われた。
第8回JASRAC音楽文化賞 受賞者
- 有田正広氏(古楽フルート奏者)
- 臼井 真氏(小学校音楽専科教員、大学准教授)
- 田中三一氏(マスタリング・エンジニア)
- 小鐵 徹氏(マスタリング・エンジニア/カッティング・エンジニア)
受賞者コメント
有田正広氏(古楽フルート奏者)
子どものころから、過去の偉大な音楽家や名曲が生まれる瞬間、その背景、また各時代に演奏されていた楽器や当時の演奏方法などに思いを馳せてきました。古楽の演奏と研究の道を選び、そうした事を徐々に解き明かしても未知の世界は広がるばかりで、今も音楽の奥義を訪ねる日々が続いています。有り難い事に、こんな僕を盛り立て支えて下さる方々のお陰で、研究の成果を演奏で披露したり、教育の現場で若い方々に伝えたりすることが出来ています。そして今回の様に、この栄誉ある賞までも頂けることは大変に嬉しく、今後の励みに繋がります。大変にありがとうございます。
臼井 真氏(小学校音楽専科教員、大学准教授)
思いがけない受賞、うれしい限りです。オーケストラの常識への幾多の疑問がオーケストラ創設の動機です。アンサンブルの原点に帰り、演奏者と聴衆が共に幸せになる演奏を目指し、さらなる精進を重ねます。
田中三一氏(マスタリング・エンジニア)
マスタリングは、CD、配信など、音楽を商品化するための音楽制作の最後の工程です。生演奏のレコーディングとは異なる目立たない技術にもかかわらず評価をいただき、驚きと感謝を感じた次第です。最近は音源をPC上でミックスできるため、100以上もの音を個々にコントロールできます。それゆえこのミックスという作業をマスタリングと同時進行させる手法を研究しています。今後も作業効率や生産性にも目を配り、作品の創造範囲をより広げる可能性に挑んでいきます。
小鐵 徹氏(マスタリング・エンジニア/カッティング・エンジニア)
私はレコードもCDも、アーティストにとって大事な子供だと思っております。アーティストがこの楽曲をどのように聞かせたいと思っているのか、アーティストの一言から10のことを探り出そうと集中して、アーティストが満足するものをと思っております。ですからマスタリングの度に今度こそ満足なものを作るぞと気合を入れてスタートするのですが難しいですね。チャップリンの名言を模して「最高傑作は次作」と、これまで延々とやっておりましたが、この度の思いがけない受賞により、なお一層の気合を入れ直すことができました。誠にありがとうございました。
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