バンナムHD、21年4月〜12月期は増収増益 通期予想を上方修正
バンダイナムコホールディングスは2月8日、2022年3月期第3四半期の連結業績(2021年4月1日〜2021年12月31日)を発表した。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高6,283億1,100万円(前年同期比15.6%増)、営業利益921億5,300万円(前年同期比26.4%増)、経常利益955億5,800万円(前年同期比27.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益617億300万円(前年同期比21.9%増)となった。
デジタル事業については、家庭用ゲームにおいて「テイルズ オブ アライズ」等の新作タイトルの販売が好調だったほか、既存タイトルのリピート販売がユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。また、ネットワークコンテンツにおいては、主力タイトルが安定的に推移したものの、好調だった前年同期には及ばなかった。なお、当第3四半期連結累計期間においては、前年同期と比較し新規大型タイトルの投入が増えたため、開発費等の初期費用が先行した。この結果、デジタル事業における売上高は2423億2,100万円(前年同期比4.6%減)、セグメント利益は376億3,300万円(前年同期比20.5%減)となった。
トイホビー事業については、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、ロト等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティングや、海外における展開拡大により好調に推移した。また、前年同期にアミューズメント施設の休業により影響を受けたプライズ等の商品販売が回復した。さらに、国内においては、定番IPや新規IPを活用した玩具に加え、海外向けのトレーディングカード、菓子やカプセルトイ等の玩具周辺商材が人気となった。この結果、トイホビー事業における売上高は2,859億5,700万円(前年同期比27.3%増)、セグメント利益は507億6,500万円(前年同期比40.2%増)となった。
映像音楽事業については、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売を行ったほか、IP関連のライセンス収入が業績に貢献した。また、ライブイベントにおいては、配信や新技術の活用等の環境変化に対応した新たな形のライブイベントへの取組みを進めたこと等により、前年同期に比べ開催回数が増加した。この結果、映像音楽事業における売上高は352億9,200万円(前年同期比67.2%増)、セグメント利益は35億1,900万円(前年同期比449.6%増)となった。
クリエイション事業については、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の新作映像作品の制作収入が増加したが、コスト先行のビジネスモデルのため利益への貢献は限定的となった。また、ガンダムの人気拡大等に伴いライセンス収入が好調だったが、IPの情報発信を行う「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。この結果、クリエイション事業における売上高は245億300万円(前年同期比50.3%増)、セグメント利益は16億1,200万円(前年同期比39.4%減)となった。
アミューズメント事業については、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で120.7%となり回復の兆しが見えたほか、欧州やアジアのアミューズメント施設についても前年同期比で回復した。アミューズメント事業においては、今後も効率化に加え、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進し収益基盤の強化を目指す。この結果、アミューズメント事業における売上高は613億9,500万円(前年同期比44.4%増)、セグメント利益は43億3,300万円(前年同期は97億4,300万円のセグメント損失)となった。
その他事業については、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。その他事業における売上高は210億200万円(前年同期比14.9%増)、セグメント利益は8億2,200万円(前年同期比4.0%減)となった。
2022年3月期通期の業績予想は、当第3四半期連結累計期間の実績に加え、足元の市場環境や各事業の動向、第4四半期連結会計期間に予定している商品・サービスのマーケティング計画等を踏まえ、売上高を従来予想7,950億円から8,100億円(前期実績7,409億300万円)、営業利益を同900億円から960億円(同846億5,400万円)、経常利益を同930億円から990億円(同876億1,200万円)、親会社株主に帰属する当期純利益を同580億円から670億円(同488億9,400万円)に上方修正した。