WOWOW、21年4月〜22年3月期は増収減益
WOWOWは5月13日、2022年3月期の連結業績(2021年4月1日〜2022年3月31日)を発表した。
当連結会計年度における同社グループの業績は、累計正味加入件数の減少に伴い有料放送収入は減少したが、テレマーケティング業務等その他収入の増加により、売上高は796億5,700万円と前期に比べ4億9,200万円(0.6%)の増収となった。営業利益はサッカー等大型スポーツコンテンツの戦略的な投下により番組費が増加したため、52億6,800万円と前期に比べ15億2,100万円(△22.4%)の減益、経常利益は53億4,900万円と前期に比べ15億8,400万円(△22.9%)の減益となったが、当連結会計年度は減損損失の計上がなかったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は42億3,900万円と前期に比べ12億9,700万円(44.1%)の増益となった。
メディア・コンテンツの当連結会計年度は、「UEFA EURO2020TM サッカー欧州選手権」「UEFAチャンピオンズリーグ」やテニス、ボクシング井上戦、日本代表戦が注目を集めたラグビー、笹生選手が優勝したLPGA等のスポーツコンテンツのほか、WOWOW×東海テレビ共同製作連続ドラマ「准教授・高槻彰良の推察」や矢沢永吉の音楽ライブ等が好評を得たことに加え、2021年1月からWOWOWオンデマンド経由での加入を開始したことにより、若年層(20代〜30代)の新規加入が増加した。また、コンテンツを「視聴」するだけではなく、ユーザーに「参加」「応援」「体験」させる、「WOWOWテニスワールド」「WOWOWサッカーアリーナ」「エキサイトマッチファンクラブ」等の「コミュニティ・サービス」の拡充を行なった。2022年1月の「全豪オープンテニス」では、同社として初の取り組みとなる、WOWOWオンデマンド及びWOWOWテニスワールドで全試合・全コートのライブ配信を行ない、好評を得た。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、映画や音楽コンテンツのラインナップに苦戦していることや配信サービスとの競争激化、目的番組の終了による解約件数増加の影響等により、正味加入件数は純減と厳しい結果となった。
以上の結果、当連結会計年度におけるメディア・コンテンツセグメントの売上高は、739億6,800万円と前期に比べ10億900万円(△1.3%)の減収、セグメント利益は46億7,400万円と前期に比べ18億9,800万円(△28.9%)の減益となった。
テレマーケティングは、外部顧客からのテレマーケティング業務等外部売上が増加したことにより、売上高は100億円と前期に比べ5億8,600万円(6.2%)の増収となり、セグメント利益は5億9,400万円と前期に比べ3億7,700万円(173.9%)の増益となった。
2023年3月期の連結業績見通しは、売上高765億円(前期比4.0%減)、営業利益23億円(同56.3%減)、経常利益25億円(同53.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益16億円(同62.3%減)を見込む。