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2021年のライブ市場、公演数・動員数ともに回復基調も市場規模はコロナ禍前2019年同期比41.8%に留まる〜ACPC発表

ビジネス レポート

コンサートプロモーターズ協会(ACPC)は、会員社73社を対象とした2021年ライブ市場の調査結果を発表した。

基礎調査概要

調査対象期間:2021年1月1日~12月31日
会員社数:73社(前年同期比+1社)
総公演数:26,383本(前年からの増減 +15,746本 / 前年同期比248.0%)※2019年同期比82.7%
総動員数:2,284万1,143人(前年からの増減 +1,197万4,849人 / 前年同期比210.2%)※2019年同期比46.1%
総売上高:1,530億8,126万円(前年からの増減 +751億45万円 / 前年同期比196.3%)※2019年同期比41.8%

コロナ禍前の2019年との比較が可能なPDFファイルデータ

2021年の市場概況

2021年の公演数は26,383本。これは2020年の公演数に対して248.0%となり、コロナ禍前の2019年の公演数と比較しても82.7%の水準となった。2021年の動員数2,284.1万人は、2020年との比較では210.2%と大きく増加しているが、公演の開催制限により大規模公演の開催が少なかったこともあり、2019年の動員数の46.1%だった。市場規模1,530.8億円は2020年との比較で196.3%、2019年に対して41.8%となった。

会場規模別の動向

ホールの公演数は11,903で、2019年と比べて92.5%まで回復しているが、動員数の1,015.3万人は2019年の57.9%にあたる。ライブハウスの公演数は10,802で2019年比の69.9%、動員数の255.9万人は2019年比の43.0%となった。大規模公演も徐々に再開されているが、大規模な会場は公演開催制限の影響が大きく、コロナ禍前と比べて公演数・動員数には大きな差がある。

  • アリーナ:公演数1,128(2019年比74.2%) 動員数498.9万人(2019年比42.7%)
  • スタジアム:公演数83(2019年比29.3%) 動員数171.6万人(2019年比18.6%)
  • 野外:公演数154(2019年比44.4%) 動員数37.4万人(2019年比13.1%)

招聘公演の動向

多くの制約がありながら海外アーティストの来日公演が再開されたことで、社会的な注目が集まった。海外のアーティスト・コンテンツに関する展覧会やフィルム・コンサートなども多数開催された。

エリア別の動向

大都市圏では公演数が平常時の数値に近づいているが、中小都市圏ではコロナ禍前の公演数と大きな差があるエリアが多く見られる。コロナ禍においては、大都市圏から離れたエリアは特に公演機会の逸失が大きく、ライブ・エンタテインメント関連企業やフリーランスの技術者の経済的損失が深刻化。全国規模でのライブ産業の持続と発展のためにも、実効性のある継続的な支援制度が必要となる。

課題・今後の見通し

催物の開催制限の緩和が進み、これまで数が限られていた大規模公演も増加傾向にあるが、ライブ・エンタテインメント産業の本格的な再開と発展に向けて、今後は観客に安心して来場してもらえる環境の整備が求められるとし、これまでの感染対策の知見を元に、感染状況に合わせたガイドラインの改定、会場での感染予防策の継続など、引き続き安心・安全な公演開催に向けた取り組みを推し進めることで、多くの人たちに公演へ参加してもらえる環境作りに取り組んでいく。