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ソニーCSL、AIを用いたドラム音生成技術「DrumGAN」を開発

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ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は、AIでドラム音を生成する技術「DrumGAN(ドラムガン)」を開発した。

ソニーCSLでは東京とパリで音楽クリエイターを支援するAI技術を研究しており、2019年にはAI楽曲制作支援ツール「Flow Machines」を開発し、提供してきた。DrumGANは音楽制作プロセスを検討する中で開発した技術であり、世界で多くの音楽クリエイターに支援されているSteinberg Media Technologies GmbH(Steinberg)が2022年6月に発売する音楽制作ソフトウェア「Backbone」への搭載が決定した。

DrumGANはソニーCSLパリで音楽を研究するチームが研究開発したドラム音生成AI。DrumGANでは、AIを活用して全く新しいドラム音を直感的に作ることができる。DrumGANを活用することで音楽クリエイターは従来のように既存の音源を加工して音を作るのではなく、キックドラムやスネア、シンバルのパラメーターを調整しながらオリジナルのドラム音を作ることができる。

DrumGANではニューラルネットワークを使ったオーディオ生成技術「Neural Audio Synthesis」を核としており、Neural Audio Synthesisを用いた実用レベルのツールとしては世界初となる。

ニューラルネットワークを活用した自動生成技術は一般的には、リアルに見える人間の顔写真を生成する研究として実用化されているが、この技術を音声に適用することで、新しいドラム音の生成を実現している。

2020年にはSony Music Publishing所属の音楽プロデューサーTwenty9がDrumGANを用いた世界初のAI poweredドラムキットを発表した。今回、Steinbergとの連携によりツールとしての使い勝手を高め、世界中のクリエイターへの提供を開始する。

ソニーCSLは、音楽クリエイターの創造性を拡張するAI技術の研究と実用化に向けた取り組みを今後も加速していくとしている。

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