第一興商、22年4月〜6月期は増収増益 通期予想を上方修正
第一興商は8月8日、2023年3月期第1四半期の連結業績(2022年4月1日〜2022年6月30日)を発表した。
当第1四半期の業績は、売上高は302億7,600万円(前年同期比48.4%増)となり、営業利益は30億2,100万円(前年同期は11億4,900万円の損失)、経常利益は32億3,700万円(前年同期は6億200万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は33億9,000万円(前年同期は3億2,400万円の損失)となった。
なお、前連結会計年度を対象とした雇用調整助成金や時短協力金をはじめとする各種給付金を「助成金収入」として、16億7,500万円(前年同期は29億1,300万円)を特別利益に計上している。また、各種給付金のうち、12億円程度は第2四半期以降の決算において計上する見込みだ。
業務用カラオケ事業においては、各種要請が解除されたことに伴う顧客店舗の再開や新規開店の増加により、主力市場であるスナック・バーなどのナイト店舗を中心に、事業環境は回復傾向で推移した。このようななか、当期の重要課題としているDAM稼働台数回復のため、ナイト店舗の経営者向けにカラオケ機器導入を支援するウェブサイト「カラオケの窓口」を前期に開設したことに加え、4月には物件情報サイト「よるみせナビ」を開設したほか、介護施設等のエルダー市場においてはオンラインイベントを開催するなど、同社の強みである対面での営業に加え、ウェブも活用した営業体制の構築に努めた。また、昨年10月にリリースした、ライブの臨場感をそのままカラオケ店で体感できる新コンテンツ「ライビュー!」をはじめ、ライブ映像・アニメ映像・ミュージックビデオなどの映像コンテンツをさらに充実させることにより、カラオケDAMの商品力強化を図った。以上の結果、売上高は前年同期比10.8%の増収となり、営業利益は前年同期比19.9%の増益となった。
カラオケ・飲食店舗事業においては、業態変更を含め、飲食2店舗の出店及び飲食4店舗の閉店を行ったことにより、当第1四半期末の店舗数はカラオケ503店舗、飲食173店舗となった。コロナ禍に伴う各種要請が解除されたことにより、店舗の集客は期初から徐々に回復傾向で推移しており、ビジネス立地や深夜帯の集客など一部にはコロナ禍の影響が継続したものの、当第1四半期の既存店売上高はコロナ禍以前に比べ3割減(前年同期は8割減)の水準まで回復した。このようななか、ビッグエコー店舗においてはカラオケの楽しさをより高めることで顧客満足度向上につなげるため、最上位機種である「LIVE DAM Ai(ライブダムアイ)」を全室に設置した店舗を44店舗とするなど、設備面での強化を図ったほか、6月より全店で開始した「最強学割」を打ち出すことなどにより、若年層の集客にも注力した。以上の結果、売上高は前年同期比223.0%の増収となり、5億3,000万円の営業損失となった。
音楽ソフト事業においては、イベント・コンサートが徐々に再開され始めるなど、音楽業界にも活気が戻りつつあるなかで、CD・DVD等の商品販売が回復傾向で推移した。以上の結果、売上高は前年同期比15.2%の増収となり、営業利益は前年同期比25.2%の増益となった。
その他事業においては、新たな収益の柱とするべく「ザ・パーク」ブランドで展開するパーキング事業が堅調に推移し、当第1四半期末時点で1,800施設、22,000車室を超える規模に拡大した。以上の結果、売上高はパーキング事業収入の増加などの影響により前年同期比16.9%の増収となり、営業利益は前年同期比108.3%の増益となった。
2023年3月期通期連結業績予想は、売上高を前回発表1,260億円から0.4%増の1,265億円、営業利益を同100億円から20.0%増の120億円、経常利益を同110億円から16.4%増の128億円、親会社株主に帰属する当期純利益を同90億円から11.1%増の100億円とそれぞれ上方修正した。