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ローランド、22年1月〜6月期は営業利益46.7億円 外部環境の変化等を反映し通期予想を上方修正

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ローランドは8月8日、2022年12月期第2四半期の連結業績(2022年1月1日〜2022年6月30日)を発表した。

当第2四半期連結累計期間における電子楽器事業を取り巻く環境は、コロナ禍をきっかけとした新しいLifestyleの定着を背景とし、コロナ前より一段切りあがった堅調な販売水準が継続した。供給面においても、引き続き原材料需給のひっ迫は継続したが、迅速な経営判断による材料確保などにより工場稼働は概ね計画どおりに進み、受注残の出荷も順調に進めることができた。一方でコスト面においては、海上輸送費や原材料価格の高止まりなど、厳しい環境が継続したが、引き続き価格適正化に取り組むとともに、中国やロシアでの販売減少を他の地域でカバーするなどの対応を進めた。

以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、430億400万円(業績予想比5.9%増、調整後前年同期比1.0%増)となった。営業利益は46億7,700万円(業績予想比1.7%増、調整後前年同期比34.8%減)、経常利益は47億9,400万円(業績予想比2.0%増、前年同期比35.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は39億2,700万円(業績予想比12.2%増、前年同期比36.5%減)となった。業績予想を超過達成する一方、対前期比では減益となっているが、これは前年第2四半期連結累計期間において2020年12月期末の在庫政策による一時的な増収要因(約20億円)があったことなどによるものである。

鍵盤楽器の主要カテゴリーでは、電子ピアノは、ステイホームを契機に顕在化した需要が、引き続きコロナ前よりも高いレベルを維持した。競合他社を含め受注残の出荷が進み、市場での競合環境はコロナ前に戻りつつあるが、引き続き堅調な需要が継続し、売上高137億6,100万円(調整後前年同期比5.5%増)となった。

管打楽器の主要カテゴリーでは、電子ドラムは、中高価格帯の製品が堅調に推移したものの、中国ロックダウンの影響もあり、販売は若干想定を下回った。電子管楽器は、引き続き市場の拡大が継続し、中高価格帯製品を中心に販売は好調に推移した結果、売上高93億6,700万円(調整後前年同期比5.5%減)となった。

ギター関連機器の主要カテゴリーでは、ギターエフェクトは、前期発売したルーパー・シリーズや、コンパクトエフェクターの「技クラフト」シリーズ、今期発売したマルチ・エフェクター等が好調に推移した。楽器用アンプは、供給不足の影響はあるものの、一定程度受注残の出荷が進み、販売は概ね計画どおりに推移した結果、売上高107億1,200万円(調整後前年同期比1.6%増)となった。

クリエーション関連機器&サービスの主要カテゴリーでは、シンセサイザーは、コンパクトサイズのステージピアノや、今期発売した新製品が好調に推移した。ダンス&DJ関連製品では、本格的なエレクトロニック・ミュージックを気軽に楽しめる小型のガジェット機器を発売した。また前期第4四半期に発売したロングセラーを続けるサンプラーの最新モデル等の販売が好調に推移した。ソフトウエア/サービス分野では、ソフトウエア音源等を定額会費で提供するサービス、Roland Cloudにおいて、新たなソフトシンセやサウンドコンテンツの提供を継続的に行った。また、エフェクターやアンプのセッティングをユーザー同士で共有できるオンラインサービスを開始した。以上の結果、売上高58億3,600万円(調整後前年同期比6.1%増)となった。

映像音響機器の主要カテゴリーでは、ビデオ関連製品は、各国のイベント需要は回復傾向にあるものの、パーツ不足の影響により十分な供給ができず苦戦した。V-MODAブランド製品は、新製品の販売が想定を下回った結果、売上高19億9,700万円(調整後前年同期比12.9%減)となった。

2022年12月期通期連結業績予想は、売上高を前回予想850億円から8.7%増の924億円、営業利益を同116億円から6.9%増の124億円、経常利益を同117億円から6.8%増の125億円、親会社株主に帰属する当期純利益を同87億円から12.6%増の98億円をそれぞれ上方修正した。

当第2四半期連結累計期間は、継続的な半導体調達難、材料コストや海上輸送費の高騰に加え、中国ロックダウンによるサプライチェーンの混乱、ロシア・ウクライナ情勢の長期化など、多くの外部環境変化があった。このような環境下、同社は新しいLifestyleの定着を背景とした電子楽器需要の増加に対応すべく、迅速な経営判断による材料確保や、コストアップに対応した価格適正化に取り組み、中国やロシアでの販売減少を他の地域でカバーすることで、当第2四半期連結累計期間の連結業績予想を達成した。

第3四半期以降においては、積極的な部材調達や労働力確保を背景とした増産により、コロナ前より一段切りあがった販売水準に対する供給に一定の目途が立ったこと、また実勢為替レートが期初の想定為替レートより大きく変動していること等を踏まえ、通期連結業績予想を上方修正したとのこと。

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