「パートナーシップ構築宣言」公表のポニーキャニオン、制作部署の社員向けにリスペクト・トレーニングを実施 クリエイターとのフェアな取引の一環で
ポニーキャニオンは、「パートナーシップ構築宣言」を公表し、「クリエイターとのフェアな取引」の一環として「リスペクト・トレーニング」を社員向けにスタートさせた。
リスペクト・トレーニングは、世界最大級の動画配信サービスNetflixがオリジナル作品の制作に携わる全スタッフとキャストを対象に実施しているもの。スタッフやキャストが安心して働くことができ、作品づくりに集中できることが大切であるという考えのもと、作品の制作に携わる者が「リスペクト」を共通認識として持つことを目的としている。社内外の健全でサステナブルなチームを作るべく、外部のクリエイターとの接点が多い映像制作の部署と、SDGsを推進するチームの合計28名が集まり、リスペクト・トレーニングが開催された。
講師を務めたのは、従業員支援プログラム(EAP)やストレスチェックなどを手掛けるピースマインドの田中秀憲氏。Netflixとの連携のもと、リスペクト・トレーニングを実施している。田中氏により、「リスペクト」という言葉の意味と目的、「アンコンシャスバイアス」やハラスメントの形などについての講義と、ハラスメントにつながる場を前にしたときどう行動するのか、行動にリスペクトはあるのかといったことを参加者自らが考えるケーススタディが行われた。
参加者同士が会話し発言する場が多く設けられ、白か黒かの正解を求めるのではなく、個人個人が自分事として考える機会が多く提供され、リスペクトの思考を筋トレのように鍛えることで習慣化することの重要性が述べられた。
リスペクト・トレーニング終了後の参加者対象のアンケートでは、95.8%が「参加して良かった」、4.2%が「どちらとも言えない」と回答。今後受けたいかという質問には「是非また受けたい」が25%、「年に1回程度なら受けたい」が29.2%、「異動や組織変更のタイミングなど、環境が変わるタイミングで受けたい」が45.8%を占め、部署やチームが刷新されメンバーや環境が時に受けたいという意見が多いことが分かった。
今後ポニーキャニオンは、「クリエイターとのフェアな取引」を行うべく、社員一人一人がエンターテイメントの根幹をなすクリエイターを尊重し対話できる存在となり、クリエイターの活動を持続可能にするためのアクションを取っていく。今回行ったリスペクト・トレーニングは今後別の部署を対象に順次実施していくとのこと。
トレーニングを受けた感想
- 「良かれと思って」の「良かれ」の観点はだれにとってなのかを、丁寧に考え直したい
- ハラスメントのような場面を見かけた時、相手との関係性次第で対応を躊躇することもあるが、これを無くすよう心がけたい
- どこからがハラスメントか?については世代間のギャップが出るところなので、なぜそのハラスメント(に繋がりかねない行為)が生じるのか、なぜ周囲がその状態を容認してしまうのか、否定をするだけでなくその背景に思いを巡らせてみようと思った。そうすれば、もっと未然に防げるところがあるのかもしれない。
- チームで継続的に受けていくことがとても大事だと思いました。終わった後もこの話をチームの仲間と振り返って、とても良い時間だったと思います!
- 受講前、テンパる・辛い現場は、平時の感覚をわすれてしまい、ハラスメント発生リスクが高くなると思っていました。受講してみて、プロデュース側としては、そのためにスケジュールや予算や段取りを上手く構築させようと思います。基本的には悪い人はいないと思いますが、プレッシャーの強弱で行動が変わってしまう人は多いと思うので。
- 上長、同僚、部下、後輩といった社内だけでなく、製作委員会など会社ごとの意見がぶつかり合うプロジェクトにおいても有効だと感じました。
- 上司・部下、先輩・後輩の関係である人々が一同に集まりトレーニングを受けたことにとても意味がありました。
パートナーシップ構築宣言は、経団連会長、日商会頭、連合会長及び関係大臣(内閣府、経産省、厚労省、農水省、国交省)をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において創設されたもの。サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを、「発注者」側の立場から企業の代表者の名前で宣言するもの。
ポニーキャニオンでは、宣言に記載されている「サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携」「『振興基準』の順守」に重点的に取り組む予定だ。