ヤマハ、22年4月〜12月期は増収増益 通期予想は市況悪化を織り込み下方修正
ヤマハは2月7日、2023年3月期第3四半期の連結業績(2022年4月1日〜2022年12月31日)を発表した。
2023年3月期第3四半期の売上収益は、半導体調達難、エントリーモデルの需要減、および中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受けたものの、対USドルの為替レートが大幅な円安になったこともあり、前年同期に対し359億円(11.9%)増加の3,382億円となった。事業利益は、材料費などのコストが上昇する中、増収影響に加え、為替の寄与もあり、前年同期に対し39億円(11.1%)増加の387億円となった。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、事業利益の増加に対し、前年度に固定資産売却益を47億円計上したことから、200万円増加の300億円となった。
楽器事業について、アコースティックピアノは、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱の影響により減収となった。電子楽器は、エントリーモデルの需要が減少したものの前年並みの実績となった。ギターは、エレキギターの好調により増収となった。管弦打楽器は北米での大幅な伸長により増収となった。セグメント全体の売上収益は前年同期比12.6%増の2,304億円、事業利益は同7.8%増の314億円となった。
音響機器事業について、オーディオ機器は、半導体調達難による影響およびエントリーモデルの苦戦により減収となった。業務用音響機器は、半導体調達難が一部改善し供給が進み増収となった。ICT機器は、ネットワーク関連の販売が好調を持続し増収となった。セグメント全体の売上収益は前年同期比7.7%増の761億円、事業利益は同8.5%増の17億円となった。
部品・装置、その他の事業について、電子デバイスは増収、FA機器は減収、ゴルフ用品は大幅な増収となった。セグメント全体の売上収益は前年同期比17.6%増の316億円、事業利益は同34.9%増の56億円となった。
2023年3月期通期業績予想は、半導体調達難などによる商品供給不足は改善が見られるものの、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱の継続や、欧州の消費冷え込みの拡大などを踏まえ、また、対USドルの為替レート見直しにより、売上収益を従来予想4,700億円から4,500億円(前期比10.2%増)、事業利益を同520億円から480億円(前期比11.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益を同410億円から370億円(前期比0.7%減)に下方修正する。