フェイス、22年4月~12月期は減収減益 コンテンツ事業はエンタメ市場の回復により好調に推移
フェイスは2月14日、2023年3月期第3四半期の連結業績(2022年4月1日~2022年12月31日)を発表した。
同社グループの第3四半期連結累計期間の業績について、売上高は前年同期比0.2%減の114億1,900万円、営業損失は2億1,200万円(前年同期は営業損失800万円)、助成金収入の減少などにより経常損失は1億8,900万円(前年同期は経常利益2億5,600万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2億5,400万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失800万円)となった。
同社グループは、これまで「コンテンツ事業」「ポイント事業」「レーベル事業」の3セグメントを報告セグメントとしていたが、経営管理上の意思決定や業績区分を見直し、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを「プラットフォーム事業」「コンテンツ事業」の2セグメントへ変更している。なお、前第3四半期連結累計期間との比較分析は、変更後のセグメント区分に基づいている。
プラットフォーム事業においては、携帯電話向けコンテンツ配信においてキャリア公式サイトサービスの売上減少や、配信サービスの公演数減少、小売業向けポイントシステム運営プラットフォームにおいて既存加盟店向けポイント発行が減少したことにより、売上高は前年同期比20.7%減の16億800万円となり、セグメント損失は2億1,900万円(前年同期はセグメント利益9,000万円)となった。
コンテンツ事業は、音楽市場の変化に伴う音楽・映像関連業界の厳しい環境の下、パッケージ商品に依存している状況からの脱却を図るため、将来を見据えた新規事業の強化を進めている。日本コロムビア、ドリーミュージック、KSRのレーベル3社においては、新たなヒットを創出すべく、次世代音楽ビジネスに適合するコンテンツの開発と育成を進めている。また、豊富なカタログ資産を新たなスキームで積極的に活用し、国内だけでないグローバルなIP領域の展開を目指している。業績については、エンタテインメント市場における回復の兆しをうけ、所属アーティストの活動増加、音源使用にかかる売上の回復、また通販限定の企画商品の売上増加などにより、売上高は前年同期比4.2%増の98億1,000万円、セグメント利益は前年同期比91.0%増の2億8,700万円となった。
2023年3月期の業績予想について、売上高を従来予想170億円から150億円(前期実績153億1,100万円)、営業利益を同3億5,000万円から2億円の損失(同9,200万円の損失)、経常利益を同3億4,500万円から1億8,000万円の損失(同1億3,600万円)、親会社株主に帰属する当期純利益を同2億9,500万円から2億9,000万円の損失(同3億3,300万円の損失)に下方修正した。
売上高はプラットフォーム事業においては想定通り推移、コンテンツ事業においてはエンタテインメント市場の回復の兆しが見受けられ前年同期比で増収を見込むものの、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響などにより当初の想定には及ばず、前回発表予想を下回る見込みとなった。
また、営業利益はプラットフォーム事業において円安の影響によるサーバー費用の増加等により原価率が悪化した。また、コンテンツ事業においても売上高が想定を下回ったことに加え、アーティストの活動再 開等により費用が増加したため、前回発表予想を下回る見込みとなった。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の利益減少に加え、同社グループは当期よりグループ通算制度を導入しており、改めて税金費用を現時点において可能な範囲で見直したところ、当初予想より約6,000万円の増加が見込まれるため前回発表予想を下回る見込みとなった。