ストリームメディアコーポレーション、22年1月~12月期は前年度に続き営業損失改善 SMTOWN LIVEなど計97公演のオフラインコンサートで約75万人を動員
ストリームメディアコーポレーションは2月14日、2022年12月期の連結業績(2022年1月1日~2022年12月31日)を発表した。
同社グループの当連結会計年度において、ライツ&メディア事業では、4月にライツ部門とメディア部門を統合し、業務効率化やシナジーの強化を図ると共にKNTVの加入者用冊子の廃止や、保有していた株式会社Beyond Live Corporationの株式37.5%の内32.5%を売却する等、2023年度通年での黒字化へ向け事業構造の大幅な見直しを2021年度に続き努めてきた。
エンターテインメント事業では、入国措置の緩和に伴いアーティストの来日障壁が軽減され、約2年ぶりとなるオフラインコンサートを4月より再開させた。中でもNCT127はグループ初となる全国3都市5公演のドームツアーを行い約22万人を動員、また同社主催コンサートにおいても最大規模を誇る「SMTOWN LIVE2022:SMCU EXPRESS@TOKYO」を約3年ぶりに東京ドームで開催し、3日間で約15万人を動員した。
この結果、当連結会計年度の売上高は70億7,800万円(前年同期比25.7%増)、営業損失は3億8,100万円(前年同期は6億4,800万円の営業損失)、経常損失は3億6,600万円(前年同期は6億3,200万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は3億300万円(前年同期は2億8,600万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。
ライツ&メディア事業において、放送事業は、グループシナジーを活用したプレミアムコンテンツの獲得を推進し、SM ENTERTAINMENT所属アーティストが一斉に会する「SMTOWN LIVE 2022:SMCU EXPRESS @HUMAN CITY_SUWON」や「SMTOWN LIVE2022:SMCU EXPRESS @TOKYO」をTV初放送し、年末恒例の韓国地上波による授賞式を生中継も含め5夜連続放送する等、バラエティ豊かな番組を編成し他チャンネルとの差別化を図ってきた。大型イベントの中でも特に音楽関連のコンテンツは新規加入促進効果が高く、今後のチャンネル運営においても主要となる編成ジャンルの1つだ。一方、加入者用ガイド誌の完全WEB化、配信サービス「KNTV+」の計画の見直しを行う等、昨年に続き体制のスリム化を図り、より効率性の高い事業基盤の構築に注力してきた。ライツ事業は、全世界的に韓国コンテンツが人気を博し脚光を浴びる機会が増加、国内でも高いニーズを維持しており、当連結会計年度においては、人気俳優出演作や大型時代劇等のドラマを始めグループ会社が制作しSM ENTERTAINMENTアーティストが出演するバラエティ番組を獲得した。一方、先述したとおり版権価格の高騰が続いている現在、為替動向を鑑みた収支計画の実施や営業努力による円安へのリスク対応のみならず、中華圏作品の獲得も推進し、事業領域を拡大した新たな事業戦略を取り入れている。また、地上波・BS・CSへの放送権販売やVOD権の販売を行った一方、DVD市場が縮小傾向にあることから、DVDの制作及び販売という営業手法からサブライセンス販売へと営業方針を転換しリスクの軽減を図りながら事業展開を行っていくという。この結果、売上高は33億6,000万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益は1億4,800万円(前年同期比263.3%増)となった。
エンターテインメント事業において、コンサート事業は、2020年のSMEJとの合併によりキャッシュカウを担う予定だったが、新型コロナウイルス感染症により2021年度は開催数0回と多大な影響を受けていた。しかし、当連結累計会計年度では4月よりオフラインコンサートを再開させ、当連結会計年度では97公演およそ75万人を動員した。東方神起のファンクラブイベントツアー、NCT 127のドームツアー、「SMTOWN LIVE2022:SMCU EXPRESS @TOKYO」等、それぞれ動員が10万人を超える超大型コンサートも実施し、第4四半期においてはNCT DREAMが約2年半ぶりとなる日本ツアーを11月に計5公演開催、2023年2月には大阪にて初となるドームコンサートの追加公演も決定し、所属アーティストの日本活動も本格的に再開している。また、8月にはaespaの初来日ショーケースを始め、新人アーティストのデビューと認知拡大にも注力し、新たなファン層の獲得によるビジネスカバレッジの拡大も引き続き図っていくという。しかし、コンサート市場は復調基調だが、公演数の急増に伴う人材不足や、世界的な物価高と円安による機材・経費等の価格高騰も生じている。音楽事業では第3四半期までに5タイトルの音源を発売し、全作品5作品がオリコンランキング上位にランクインする等、人気を持続させている。なお、第4四半期では12月15日にSuper Juniorが11枚となるアルバム「The Road:Celebration」をリリースした。音楽事業以外の活動は、NCT127に所属する日本人メンバーYUTAの映画初出演や世界的ラグジュアリーブランド「Louis Vuitton」とのフレンドシップ契約、日本テレビとHuluで放送、配信されるNCTの地上波初冠番組「What’s NCT」の放送スタート等、認知度向上による新たなファン層獲得へ向け、精力的に活動している。第4四半期ではNCT DREAMが、11月の日本ツアーに合わせオリジナル飲食やグッズを展開するカフェ「NCT DREAM CAFE In A DREAM」を東京、大阪、愛知の3都市7会場にて期間限定オープンさせた他、NCTにおきましてはSANRIO CHARACTERSとフリューとのトリプルコラボレーションによるオリジナルグッズの販売を2023年1月よりスタートさせ、IPを活用した事業展開を来年度以降も加速させていくとのこと。この結果、売上高は37億1,200万円(前年同期比74.8%増)、セグメント利益は7,300万円(前年同期は1億6,100万円のセグメント損失)となった。
その他事業では、売上高は500万円(前年同期比37.1%減)、セグメント損失は4,100万円(前年同期は3,500万円のセグメント損失)となった。
2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の業績見通しについて、売上高92億7,300万円(前期比31.0%増)、営業利益8,400万円(前期は営業損失3億8,100万円)、経常利益8,800万円(前期は経常損失3億6,600万円)、親会社株主に帰属する当期純利益7,000万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億300万円)を見込んでいる。