紀伊國屋書店、2027年の創業100周年に向け「紀伊國屋書店バーチャル新宿本店」をオープン
紀伊國屋書店は、2027年1月に迎える創業100周年に向け、「紀伊國屋書店バーチャル新宿本店」をオープンする。まずは2月15日に、2階フロアのみを先行公開している。
紀伊國屋書店の歴史は、1927年に創業者の田辺茂一氏が、新宿の地に建てた木造2階建て38坪の書店から始まった。1964年には前川國男氏設計による現在の紀伊國屋ビルディングを竣工し、その後もこの創業の地が紀伊國屋書店の礎となり、現在では海外にまで広がる同社の発展を支えてきた。
2017年に東京都選定歴史的建造物に選定された歴史あるビルの景観を守りつつこれからも末永く事業を継続・発展させていくために、同社では、書店の営業を継続しながら2019年より耐震補強工事を含む紀伊國屋ビルディングのリニューアル工事を続けてきたが、このたび、全フロアの工事が完了。「未来志向の原点回帰」をコンセプトにリニューアルした新宿本店をこのバーチャル新宿本店で全世界にお披露目する。
バーチャル新宿本店では、Xが提供する、WEB上で高精細な360度空間が作成できるサービス「apotto」を導入し、リニューアルした新宿本店2階フロアをバーチャル空間に完全再現。まるで実際の新宿本店を歩いているようなワクワクする体験が可能となる。
新宿本店2階に新設された「BOOK SALON」は、かつて創業者・田辺茂一氏が作家や文化人のために9階に創った会員制の「サロン」を、より開かれた「本好き」が集う場所として再生した。バーチャル新宿本店のBOOK SALONではさらに進化したイベントスペースとして、出版社各社や新宿本店スタッフによるブックフェアを開催する。そこに展示する商品はバーチャル空間と直結した紀伊國屋書店ウェブストアにて購入できるという。
今後は、新宿本店の全フロア及び海外店を含む主要店舗のバーチャル化を順次行い、世界中に楽しまれる未来の書店を目指す。また、出版社向けには海外展開も可能な幅広いプロモーションの場を提供するとしている。