ソニー、スタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する「360 Virtual Mixing Environment」測定サービス等を提供へ
ソニーは、サウンド制作用リファレンススタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術「360 Virtual Mixing Environment(サンロクマル・バーチャル・ミキシング・エンバイロンメント)(360VME)」の測定サービスおよび専用ソフトウエアの提供を6月を目途に開始すると発表した。
音楽、映画、ゲームなどにおいて立体音響コンテンツが増えている中、制作スタジオのモニター環境では多チャンネル化が進んでいる。360VMEは、ヘッドホンで多チャンネルのスタジオの音場を再現し、クリエイターが場所の制約を受けずに立体音響コンテンツ制作ができる環境をサポートする。
測定サービスでは、スタジオで利用者の聴感特性などを正確に測定し、個人最適化された360VMEのプロファイルデータを作成。プロファイルデータと専用ソフトウエアを用いて、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現する。「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」(ソニーのオブジェクトベースの立体音響技術で、アーティストがライブ演奏をする場に入り込んだかのような、臨場感豊かな音場を実現する音楽体験)をはじめとするさまざまな立体音響のコンテンツを、場所の制約を受けずにスタジオの音場環境で制作することができる。MIL Studio(東京)、The Hit Factory(ニューヨーク)、Gold Diggers Sound(ロサンゼルス)の日米3箇所のスタジオとパートナーシップを締結し、各スタジオにおいて測定サービスの実施および専用ソフトウエアの提供が6月を目途に開始される。
360VMEのプロファイルデータを用いて、立体音響コンテンツをヘッドホン向けにレンダリングする専用ソフトウエアの提供を6月を目途に開始する。専用ソフトウエアはDigital Audio Workstationソフトウエアおよび「360 WalkMix Creator(サンロクマル・ウォークミックス・クリエイター)」と連携し、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現する。
また、5月12日発売予定の背面開放型(ドライバーユニット背面を塞がない構造)モニターヘッドホン「MDR-MV1」は、360VMEの性能を最大限に発揮できる仕様で、あわせて使用することでより高精度にスタジオの音場環境を再現できる。