USEN-NEXT HD、22年9月~23年2月期は売上高17.3%増 四半期および上半期の過去最高売上高を更新

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USEN-NEXT HOLDINGSは4月10日、2023年8月期第2四半期の連結業績(2022年9月1日~2023年2月28日)を発表した。

当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高1,337億3,200万円(前年同四半期比17.3%増)、営業利益95億4,400万円(前年同四半期比7.9%増)、経常利益90億5,000万円(前年同四半期比7.3%増)、また親会社株主に帰属する四半期純利益は、49億5,800万円(前年同四半期比12.5%増)となった。事業セグメント別では、業務用システムを除くすべての事業において増収増益を達成した。

コンテンツ配信事業について、U-NEXTの会員数は前年比34万人増となる290万人を突破。コンテンツに関する競争環境が激化するなかで、これまでの「カバレッジ戦略」に加え、新作・話題作や「PGAツアー」「JLPGA女子プロゴルフツアー」「BELLATOR MMA」等注目度の高いスポーツコンテンツの独占配信や、音楽コンテンツのライブ配信を開始するなど同社の独占作品をグレードアップさせるかたちで独占配信作品の強化にも取り組んできた。また、為替相場は引き続き円安基調であるものの、昨年後半の急激な下落から落ち着きを取り戻しており、コンテンツ調達コストにおける影響は限定的となっている。その結果、コンテンツ配信事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は386億500万円(前年同四半期比10.9%増)、営業利益は33億2,300万円(前年同四半期比3.8%増)となった。

店舗サービス事業について、USENでは、フロント業務からバックオフィス業務までのあらゆるオペレーションのDX化をパッケージにして提供、サービス導入およびアフターフォローも万全にサポートすることで業務効率化、省人化、非接触化を推進するなど、新たな視点による店舗経営を提案している。特に配膳ロボットに関しては、With/Afterコロナにおける人手不足の解消、生産性の向上という顧客の課題解決に向けた取り組みとして、非接触で安心かつ効率的な接客を実現するため、飲食店への導入を積極的に注力している。また、地域コミュニティの役割を担う全国100拠点の「こども食堂」に「USEN MUSIC」を無償で提供し、施設の環境改善支援を開始した。USEN Mediaでは、飲食店向け集客支援サービス「ヒトサラ」の展開や「食べログ」の取り扱いを行っている。訪日外国人向けグルメサイト「SAVOR JAPAN」では、コロナ禍を経て、海外旅行者の受け入れ解禁後から予約数が大幅に伸張し、今後も益々訪日外国人による需要拡大が期待できる。バーチャルレストランは2022年9月の同社グループへの参画後、グループ会社の販売チャネルを生かした加盟店獲得の促進や新規の飲食ブランドの開発に注力してきた。その結果、店舗サービス事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は306億3,000万円(前年同四半期比8.3%増)、営業利益は47億3,000万円(前年同四半期比1.8%増)となった。

通信事業について、中小規模事業者向けを中心とした通信回線、ネットワーク、セキュリティサービスの新規獲得活動は引き続き堅調に推移した。オフィスのICT環境構築においては、USEN ICT Solutionsが、「USEN GATE 02」のブランドでネットワーク関連サービスやクラウドサービス、データセンターサービス、企業ICT環境の保守運用サービス等を手掛けている。更に、オフィスで働く従業員のため「Sound Design for OFFICE」をはじめとするBGMサービスも併せて提案するなど、企業ごとのニーズにマッチした業務環境改善を提案するとともに、これらのICT環境構築をワンストップで提供可能な体制作りに取り組んでいる。USEN Smart Worksでは、従業員の働き方をサポートするため、様々なクラウドサービス(SaaSサービス)を取りそろえて企業に提供している。USEN NETWORKSでは、自社で提供する法人向け光回線「USEN光 plus」の顧客の新規獲得が安定的に増加しており、ワンショット型の手数料獲得モデルからランニング収益獲得モデルへのシフトが図れている。また、リモートワークの環境整備はもとより音楽や動画配信サービスなどインターネットを活用した過ごし方へのニーズの高まりを受けて、個人向け光回線サービス「USEN光01」の提供も開始している。その結果、通信事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は264億5,600万円(前年同四半期比4.7%増)、営業利益は28億3,900万円(前年同四半期比1.7%増)となった。

業務用システム事業について、With/Afterコロナで、これまで人による「おもてなし」をサービスの中心として自動精算機等による省人化・省力化を必要としていなかった施設等においても新たに非接触・非対面のニーズが発生し、これを大きなビジネスチャンスととらえて、施設における新たな課題やニーズに対して積極的に対応してきた。ホテルにおいては、全国旅行支援等の影響や、規制なく入国可能な国・地域が増えたことで訪日外国人も戻りつつあり、今後も宿泊客数の拡大が予想される中、引き続き感染対策も求められており、人手不足等への様々な課題解決へ向けた製品・サービスの提供に注力している。病院/クリニックにおいては、人手不足や働き方改革から十分な受付窓口スタッフの配置が難しい状況や非対面での受付対応、更に省スペースというニーズに対し、新たな業界最小型のセルフレジ「FIT-B for Clinic」の販売を開始し、支払い方法の多様化と省人化に対応している。また、JA三井リースとの協業を開始し、病院・クリニックの開業や導入機器の更改時の資金調達から、アルメックスが取り扱う次世代KIOSK端末をはじめとするDX製品の導入をワンストップで支援するサービスも提供している。オンライン資格確認に対応した顔認証付きカードリーダー「Sma-paマイナタッチ」では、厚生労働省より、2023年4月のオンライン資格確認導入原則義務化について、一部猶予期間が設けられたが、引き続き、医療機関全体のDX化促進のため、顔認証カードリーダーの導入に取り組んでいる。その結果、業務用システム事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は93億6,600万円(前年同四半期比4.4%減)、営業利益は12億7,000万円(前年同四半期比27.6%減)となった。

エネルギー事業について、引き続き発電コストが高止まりし、大手電力会社は規制料金値上げ申請を行うなど不安定な状況が続いているが、同社グループサービスは、燃料費調整単価の上昇により、売上増加要因となった。「USENでんき(高圧)」では、電気料金の高騰により一定の解約が続いているが、U-POWERは、これらの顧客の受け皿として、また、数多くの新電力会社が新規受付を停止する中、電力会社との契約目途がたたない企業に対し選択できるプランを提案し加入を促進してきた。その結果、エネルギー事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は302億8,800万円(前年同四半期比70.8%増)、営業利益は10億6,800万円(前年同四半期比325.2%増)となった。

連結業績予想については、2022年10月13日の決算短信で公表のものを据え置いた。

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