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2022年音楽フェス市場は2019年比87.3%、動員数は83.8%まで回復〜ぴあ総研公表

ビジネス レポート

ぴあ総研は5月1日、毎年行っている音楽フェスの市場動向に関する調査結果を公表した。

本調査では、音楽ポップス分野のフェスティバル形式(同時間帯に複数アーティストが出演する形式)のイベントのチケット販売額を推計し、音楽フェス市場規模を算出している。推計対象は2022年1月から12月に開催されたイベントで、オンラインライブは含まない。

2022年の音楽ポップスフェス市場規模は、対前年増減率484.6%増の288億円へと急速に拡大。動員数も前年比401.9%増の241万人となった。コロナ禍前2019年の規模と比べ、市場規模は87.3%、動員数は83.8%まで回復した。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、音楽フェスのほとんどが2020年から中止を余儀なくされ、過去のライブ映像や無観客ライブの配信などの対応で凌いできたが、2022年になり、新型コロナウイルスへの対応の進展と、人の移動といった経済活動に対する制限の緩和を踏まえ、音楽フェスもようやく正常化へ向かい始め、「FUJI ROCK FESTIVAL」「SUMMER SONIC」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」という国内の主要3大音楽フェスが2019年以来、3年ぶりに出揃い、市場回復を牽引。ただし、ウィズコロナ下の音楽フェスという点で3年前とは異なり、開催地の変更、開催規模の縮小、声出し禁止など、依然として新型コロナウイルスの影響はみられ、1公演当たりの動員数は、いまだコロナ禍前には戻っていないとのこと。

また、コロナ禍前に開催されていた音楽フェスの一部が未開催のままとなる一方で、茨城県国営ひたち海浜公園で開催されてきた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」の千葉県移転開催に伴い、同所で開催された「LuckyFM Green Festival」、with SDGsを掲げた「北九州ロックフェスティバル」など、「地域密着型」「地域活性化」をキーワードとした新たな音楽フェスが誕生した。

さらに、リアルライブの開催に向かうなかで、メタバースやNFTなどWeb3.0との融合への試みもみられ、東京・渋谷で開催され活況を呈したNFT Japan Music Fes「VVAVE3」Vol.1や、世界最大級の音楽フェスティバル「Coachella 2022」できゃりーぱみゅぱみゅとコラボレーションし話題を集めた日本発のメタバースNFT「Metaani」など、ウィズコロナのもと、音楽フェスはその姿を変容させながら、さらなる進化に向かい始めているとしている。

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