ヤマハ、22年4月~23年3月期は増収増益 今期は過去最高の事業利益を予想

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ヤマハは5月9日、2023年3月期の連結業績(2022年4月1日~2023年3月31日)を発表した。

2023年3月期の売上収益は、半導体調達難、エントリーモデルの需要減、および中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受けたものの、対USドルの為替レートが大幅な円安になったこともあり、前期に対し432億円(10.6%)増加の4,514億円となった。事業利益は、材料費などのコストが上昇する中、為替の寄与もあり、前期に対し28億円(6.6%)増加の459億円となった。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、事業利益の増加等により、9億円(2.5%)増加の382億円となった。

楽器事業について、アコースティックピアノは、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱の影響により大幅な減収となった。電子楽器は、エントリーモデルを中心に需要が鈍化し減収となった。管弦打楽器は北米での伸長により大幅な増収となった。ギターは、エレキギターの好調により増収となった。セグメント全体の売上収益は3,027億円で前期比9.6%の増収となったが、アコースティックピアノの大幅な減収の影響により事業利益は362億円で前期比3.0%の減益となった。

音響機器事業について、オーディオ機器は、半導体調達難による影響およびエントリーモデルの販売不振により大幅な減収となった。業務用音響機器は、半導体調達難の一部改善により商品供給が進み増収となった。ICT機器は、ネットワーク関連の販売が好調に推移し大幅な増収となった。セグメント全体の売上収益は1,076億円で前期比11.1%の増収、事業利益は35億円で前期比125.3%の増益となった。

部品・装置、その他の事業について、電子デバイスとゴルフ用品は大幅な増収となり、自動車用内装部品およびFA機器は減収となった。セグメント全体の売上収益は411億円で前期比17.1%の増収、事業利益は62億円で前期比49.1%の増益となった。

2024年3月期の業績予想は、世界経済の見通しは依然として不透明であるものの、中国や欧州をはじめとした市場の回復や、半導体調達難などによる商品供給不足の改善などを織り込み、売上収益4,700億円(前期比4.1%増)、事業利益560億円(前期比22.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益420億円(前期比10.0%増)とした。事業利益560億円は、2019年3月期の527億円を更新する過去最高を予想している。

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