バンダイナムコHD、22年4月~23年3月期のIPプロデュース事業は好調に推移し増収増益
バンダイナムコホールディングスは5月10日、2023年3月期の連結業績(2022年4月1日~2023年3月31日)を発表した。
当連結会計年度の経営成績は、売上高9,900億8,900万円(前期比11.3%増)、営業利益1,164億7,200万円(前期比7.2%減)、経常利益1,280億600万円(前期比4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益903億4,500万円(前期比2.6%減)となった。
デジタル事業については、家庭用ゲームにおいて、前連結会計年度に発売したワールドワイド向け大型タイトル「ELDEN RING(エルデンリング)」等の既存タイトルのリピート販売が海外を中心に好調に推移したほか、当連結会計年度に発売した複数の新作タイトルの販売が安定的に推移した。ネットワークコンテンツにおいては、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力タイトルや前連結会計年度にサービスを開始したタイトルがIPのメディア展開との連動やユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。なお、利益面においては前連結会計年度と比較して、家庭用ゲームにおけるタイトル編成の違いに加え、プロダクトミックスの変化が影響した。また、同事業においては、国内外で競争が激化するマーケット環境を踏まえ、クオリティを重視したタイトルの提供を目的とし、タイトルの開発状況やビジネスプランをより厳しく見直した結果、一部仕掛品の評価損等約130億円を計上した。この結果、デジタル事業における売上高は3856億8,100万円(前期比2.0%増)、セグメント利益は493億3,900万円(前期比29.1%減)となった。
トイホビー事業については、円安の進行に伴う原材料価格や燃料価格の上昇の影響を受けたが、事業全体では好調カテゴリーやグローバル展開の拡大、生産体制の強化等をはかったことにより好調に推移しました。具体的には、「ガンダムシリーズ」のプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化等により、国内外において引き続き好調に推移した。また、それらに加え、「ONE PIECE」のトレーディングカードゲームや「ガンダムシリーズ」のデジタルカード等のカード商材、「キャラパキ」等の菓子商材、カプセルトイ等が人気となりました。なお、同事業においては当第4四半期連結会計期間に在庫の評価損等を計上した。この結果、トイホビー事業における売上高は4,474億9,100万円(前期比19.8%増)、セグメント利益は595億3,800万円(前期比13.8%増)となった。
IPプロデュース事業については、IP創出強化を目的に、組織体制の変更を行い、映像・音楽・ライブイベント等に関するリソースやノウハウの集約を実施した。この新体制のもと、IPに関する映像作品の製作、映像・音楽パッケージソフトの販売、映像配信、ライブイベントの開催やライセンスビジネス等を行った。その結果、「ガンダムシリーズ」や「ラブライブ!シリーズ」「転生したらスライムだった件」「ブルーロック」等の映像作品に関わる配信、ライセンスビジネス等が好調に推移した。また、国内における行動制限の緩和が進んだことにより、ライブイベントや「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」のビジネスが前年同期を上回った。この結果、IPプロデュース事業における売上高は817億4,800万円(前期比2.2%増)、セグメント利益は106億4,500万円(前期比20.5%増)となった。
アミューズメント事業については、新型コロナウイルス感染拡大による一部地域での施設休業や、燃料価格の上昇による光熱費上昇等の影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前期比で114.9%となった。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携した施設展開を積極的に行った。さらには、新製品の「CLENA3」等業務用ゲーム機の販売が好調に推移した。この結果、アミューズメント事業における売上高は1,046億200万円(前期比27.0%増)、セグメント利益は60億3,800万円(前期比49.0%増)となった。
その他事業については、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。その他事業における売上高は313億1,300万円(前期比13.2%増)、セグメント利益は11億6,500万円(前期比235.9%増)となった。
2024年3月期の連結業績予想は、売上高1兆円(前期比1.0%増)、営業利益1250億円(同7.3%増)、経常利益1290億円(同0.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益910億円(同0.7%増)を見込んでいる。