ハピネット、22年4月~23年3月期の映像音楽事業は約4億円の損失
ハピネットは5月12日、2023年3月期の連結業績(2022年4月1日~2023年3月31日)を発表した。
同社グループの経営成績は、映像音楽事業で損失が発生したものの、玩具事業、アミューズメント事業が引き続き好調に推移したことにより、売上高、利益面ともに前期を上回った。売上高は3,072億5,300万円(前期比8.8%増)、営業利益は58億4,200万円(同4.8%増)、経常利益は61億9,400万円(同5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は35億6,100万円(同0.2%増)となった。なお、子会社株式の減損処理に伴うのれん償却額1億8,600万円を特別損失に計上している。
玩具事業については、BANDAI SPIRITSの「一番くじ」をはじめとしたくじ関連商品が依然好調に推移したことや、「ポケモンカードゲーム」や「ONE PIECE カードゲーム」などのトレーディングカードがヒットしたことにより、売上高は前期を上回った。利益面についても、適正在庫の維持に努めたことによる在庫評価損失の減少により、前期を大幅に上回った。この結果、売上高は1,249億円(前期比18.5%増)、セグメント利益は45億4,400万円(同36.7%増)となった。
映像音楽事業については、「King & Prince First DOME TOUR 2022 ~Mr.~」などのヒット商品があったことにより映像パッケージの新譜の販売は回復したものの、音楽パッケージの販売が苦戦し、売上高は前期と横ばいとなった。利益面については、滞留在庫の評価損失や同社出資映像作品の作品投資損失が発生したことにより、前期を大幅に下回った。この結果、売上高は671億3,700万円(前期比0.3%増)、セグメント損失は3億9,600万円(前期はセグメント利益5億1,500万円)となった。
ビデオゲーム事業については、「PlayStation5」のハードの販売は好調に推移し、「Nintendo Switch」のソフトで「スプラトゥーン3」や「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」などのヒット商品があったものの、「Nintendo Switch」のハードの販売が減少し、売上高、利益面ともに前期を下回った。この結果、売上高は833億7,200万円(前期比3.1%減)、セグメント利益は14億9,700万円(同6.6%減)となった。
アミューズメント事業については、カプセル玩具市場が人流の回復などの影響も受け依然好調に推移していることに加え、同社が運営するカプセル玩具ショップ「ガシャココ」の出店や新規ロケーションを拡大したことにより、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回った。なお、「ガシャココ」は2023年3月末日時点で79店舗を出店している。この結果、売上高は318億4,200万円(前期比32.3%増)、セグメント利益は18億2,300万円(同14.4%増)となった。
2024年3月期の連結業績見通しについては、売上高3,100億円(前期比0.9%増)、営業利益60億円(同2.7%増)、経常利益62億円(同0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益については37億円(同3.9%増)を見込んでいる。
なお、同社は4月14日開催の取締役会において、同社の持分法適用関連会社であるブロッコリーの普通株式を金融商品取引法による公開買付けにより取得することを決議し、4月17日から6月13日までを公開買付け期間としているが、公開買付けに伴う同社の2024年3月期の業績(連結・個別)に与える影響については見込んでいない。