芸団協、「芸術家の社会保障に関する研究」報告書を発行
日本芸能実演家団体協議会は5月19日、「芸術家の社会保障に関する研究」報告書を発行した。WebサイトからPDFにて見ることができる。
2020年から新型コロナウイルス感染症が世界中にまん延し、日本国内でも公演・イベント等の中止・延期の協力要請、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等により、実演芸術分野も甚大な影響を受けた。創造活動が停滞し、実演家をはじめとする芸術家たちが経済的打撃を受ける中で、その活動環境への理解と関心が高まっている。
芸団協では、コロナ禍における実演芸術分野の状況を調査し、文化芸術団体や個人に対して必要な支援など、政府に対して要望してきた。こうした中で明らかになったことは、実演家等の文化芸術の担い手たちは、コロナ禍等の未曽有の事態においては言うまでもなく、平時から補償のない不安定な活動基盤に置かれているということだ。
芸団協は長年の間、実演家等に対する公的な社会保障の創設を求めて、調査や政府への働きかけを行ってきたが、このコロナ禍で顕在化した芸術家等の置かれている状況を、あらためて現代の社会課題として捉え、日本における制度のあり方を研究すべく、「芸術家の社会保障等に関する研究会」を立ち上げた。
この研究会では、社会保障制度において、実演家を含む自営の芸術家の活動特性と役割に配慮する、ドイツ、フランス、韓国について、社会保険制度上の芸術家に対する特別措置や、対象となる芸術家の画定方法等に関して、日本との比較をふまえて研究し、理解を深めた。