ヤマハ、カジュアル管楽器「Venova」の意匠が令和5年度全国発明表彰「特許庁長官賞」を受賞
ヤマハのカジュアル管楽器「Venova(ヴェノーヴァ)」に関する意匠が、発明協会が主催する「令和5年度全国発明表彰」の第一表彰区分の特別賞「特許庁長官賞」を受賞した。また、受賞発明の実施等に関して「発明実施功績賞」を受賞した。本表彰におけるヤマハの特別賞の受賞は4年ぶり6度目となる。なお、表彰式は6月12日に東京・The Okura Tokyo(オークラ東京)にて行われる予定だ。
受賞内容
- 特許庁長官賞
辰巳 恵三(たつみ けいぞう)元ヤマハ ブランド戦略本部 デザイン研究所 - 発明実施功績賞
中田 卓也(なかた たくや)ヤマハ 代表執行役社長
本意匠は、気軽に始められ、かつサクソフォンのような本格的な吹き心地と豊かな表現力を楽しめるカジュアル管楽器「Venova」に関するもの。
シングルリードの管楽器はクラリネットなどの円筒形管楽器とサクソフォンなどの円錐形管楽器に大きく分類される。円筒形管楽器は音孔が指で押さえやすいサイズだがオクターブごとに指使いが違うため覚えにくく、一方、円錐形管楽器は指使いがリコーダーのように平易であるものの音孔が大きく穴を指で直接ふさげないため、穴をふさぐためのキイなどの機構を必要とする。
Venovaでは、円筒管を分岐させた「分岐管」構造によって「円錐管から広がるような豊かな音色」を円筒管で実現。さらに、指が届くように主管を蛇行させて音孔間を短くすることで、最小限のキイを使用して「円筒管の指の押さえやすさ」と「円錐管の平易な指使い」での演奏を可能にしている。また、主管の蛇行部を本楽器の特徴として見せつつ、奏者視点では音孔を配置した上面をリコーダー同様の直線部とし、それらを合わせてひとつの円筒形とする新しい管楽器の造形様式を確立している。
軽量で壊れにくく水洗いできるABS樹脂製で、どこにでも気軽に持って行くことができる。慣れ親しんだリコーダーに近い指使いで豊かな演奏をできるため、楽器演奏を継続する機会を広げている。