JASRAC、23年6月分配期における著作物使用料の分配額は9.6%増の311億円余 6月分配としては過去最高額に
日本音楽著作権協会(JASRAC)は6月9日、作家・音楽出版社等の権利者に著作物使用料を分配した。2023年6月の分配額は、311億1,873万3,711円、前年度同期比109.6%、6月分配としては過去最高額となった。
JASRACは音楽の利用者から支払った著作物使用料を、年に4回(3月、6月、9月、12月)、権利者に分配している。2023年6月の分配は、主に2022年10月から2023年3月の使用料収入を反映したもの。
演奏会等・大規模演奏会等では、使用料算定の基礎となる入場料(チケット代)が上昇傾向にあることなどから、演奏会等については約13.7億円(前年度同期比116.9%)となった。この理由に加え、海外アーティストの大規模公演が増加したことから、大規模演奏会等については約7.8億円(前年度同期比380.1%)となった。
外国入金(演奏・録音)では、アメリカやフランスからの配信使用料の入金が好調であることなどから、外国入金演奏については約3.6億円(前年度同期比127.9%)、外国入金録音については約1.1億円(前年度同期比173.8%)となった。
インタラクティブ配信では、動画配信サービスや音楽サブスクリプションの市場が引き続き好調を維持していること、一部配信サービスとの利用許諾契約を更改したことなどから、約115.7億円(前年度同期比120.4%)となった。
分配対象楽曲数は240万3,134曲、分配対象の権利者数は音楽出版社を通じた分配を含めると、著作者7万2,076人、音楽出版社2,848社となった。このほか、114の外国団体を通じて31万604人の著作者、3万5,734社の音楽出版社にも使用料が分配される。
JASRACは、「今後もクリエイター・権利者への対価還元を通じて、音楽産業および音楽文化の発展に努めていく」と伝えている。