紀伊國屋書店×CCC×日販が新会社「ブックセラーズ&カンパニー」設立、書店主導の出版流通改革実現へ
紀伊國屋書店、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、日本出版販売は10月2日、書店主導の出版流通改革の実現に向けて、共同出資会社「株式会社ブックセラーズ&カンパニー」を設立した。
社名は、書店もしくは本を売る人を意味する英単語「BOOKSELLER」の複数形と、仲間を意味する「カンパニー(CO.)」を組み合わせたもの。「読者、出版社、取次、著訳者、クリエイター、3社を含む全国の書店など、ステークホルダーの皆さまと共に歩んでいきたい」という3社の思いを社名に込めている。
理念については「出版社が発行する多種多様な出版物を、書店を通じて全国各地の読者に届け続けるための持続可能な出版流通サイクル創出によって、出版業界の成長のみならず、日本の文化と社会の発展に寄与する」、ミッションについては「街に書店が在り続け、より多くの人々が読書習慣を育み、本を通じた『知』や『文化』との接点を持ち続ける豊かな未来を、書店自らの手で切り拓いていく」としている。
ブックセラーズ&カンパニー 代表取締役社長 宮城 剛高氏コメント
本の持つ力は、時代を超えた普遍的なものであり、「読書により古今を友とし東西を越えることができる」という言葉もあります。
書店の存在意義は、日本ならびに世界中で発行されている、そうした多種多様な出版物や文化・学術情報を、全国各地の読者に届けるという行為の中にあると我々は考えています。
私たちブックセラーがそうした営みを続けていくことを通じて、人々に学問と感動と交流の機会を提供し、社会の課題解決と学問芸術の振興、豊かな日常生活の実現を支援していきたい。この思いを起点として、持続可能な出版流通サイクルの創成を目指してまいります。
主な事業内容
- 書店と出版社が販売・返品をコミットしながら仕入数を決定する、新たな直仕入スキームを実現するための書店-出版社間の直接取引契約の締結を目指し、参画書店の代表として各出版社様と交渉を行う。
- 直接取引契約を締結した出版社の商品に関する、参画書店の仕入業務を新会社に集約する。3社が保有するシステムやインフラストラクチャー、単品販売データや書店員のノウハウ等を利活用しながら、販売機会の喪失を最小化する適正仕入と、適時適量かつ環境に優しい流通を実現していく。
- 書店での購入者の拡大や購入数の増加を目指し、参画書店が共同実施する販売促進の企画や、共通アプリなども視野に入れた書店横断型のサービスを実現させて、読者の利便性向上に繋げていく。
新会社概要
会社名:株式会社ブックセラーズ&カンパニー(英文商号 BOOKSELLERS & CO.)
設立日:2023年10月2日
本店所在地:東京都新宿区新宿三丁目17番7号
オフィス:東京都品川区上大崎2-15-19 ビジネスエアポート目黒
資本金:5,000万円(資本準備金5,000万円)
出資比率:紀伊國屋書店40%、CCC30%、日販30%
経営体制
氏名 | 新会社における役職 | 出資グループにおける役職 |
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高井 昌史 | 代表取締役会長 | 株式会社紀伊國屋書店 代表取締役会長 兼 社長 |
宮城 剛高 | 代表取締役社長 | 株式会社紀伊國屋書店 経営戦略室長 |
内沢 信介 | 取締役 | カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 事業戦略室長 書店流通改革プロジェクトリーダー |
日野 泰憲 | 取締役 | 日本出版販売株式会社 マーケティング本部 部長 |
近藤 純哉 | 取締役(非常勤) | NIC株式会社(日販グループ会社)代表取締役社長 |
※3社から人員を派遣して新会社の経営にあたる。
※敬称略