ストリームメディアコーポレーション、23年1月~9月期は黒字浮上
ストリームメディアコーポレーションは11月2日、2023年12月期第3四半期の連結業績(2023年1月1日~2023年9月30日)を発表した。
当第3四半期連結累計期間の売上高74億9,900万円(前年同期比36.2%増)、営業利益は3億6,600万円(前年同期は1億1,800万円の営業損失)、経常利益は3億7,600万円(前年同期は1億400万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億1,800万円(前年同期は3,500万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。
エンターテインメント事業では、NCTグループが初の大型スタジアムコンサートを開催し計4日間で約22万人を動員した他、aespaが海外アーティスト史上最速での東京ドームコンサートを行い計2日間で約9.4万人を動員するなど、大型公演を中心に開催した。エンターテインメント事業では当第3四半期連結累計期間において計80公演のオフラインコンサートを実施し約120万人を動員した。
エンターテインメント事業のコンサート事業では、大型コンサートを中心に24公演開催し、約45万人を動員した。NCTグループが初の大型コンサート「NCT STADIUM LIVE ‘NCT NATION:To The World-in 日本’」(9月9日、10日、16日、17日)をヤンマースタジアム長居と味の素スタジアムで計4日間開催し約22万人を動員した。その他にも、aespaが海外アーティスト史上最速での東京ドームコンサート「aespa ライブツアー 2023 ‘SYNK:HYPER LINE’ in 日本-Special Edition-」(8月5日、6日)を行い計2日間で約9.4万人を動員した。MD事業では、大型コンサートの開催に伴い関連グッズの販売が好調に推移し業績に寄与した。その他にも原宿でギャラリーとカフェが一体となったNCTのポップアップ空間「NCT@XYZ」をオープンした。このようなポップアップは、今後もコンサート開催の有無にかかわらず定期的にオープンする予定だ。またNCT DREAMのファミリーマート限定グッズや、アミューズメント専用景品なども販売し、多くの人にとって身近な場所でグッズを目にする機会を増やすことで認知度向上とファン獲得のPRにも力を入れている。音楽事業では、CHEN(EXO)の1stミニアルバム「ポラリス」(8月17日)をリリースした。またKAI(EXO)の日本ソロライブ「KAI 日本 Special Live 2023」、EXO約5年振りのファンクラブイベント「EXO-L日本 presents EXO CHANNEL “THE BEST”」、SUPER JUNIOR約5年振りのドーム公演「SUPER JUNIOR WORLD ツアー – SUPER SHOW 9:ROAD in 日本」のDVD&Blu-rayも発売した。その他活動では、7月27日からNCT New Team(仮)のメンバーを決めるデビューサバイバル番組「NCT Universe:LASTART」(日本テレビ、Hulu等)が放送された。同番組で選ばれたメンバーがプレデビューし、10月に行われた東京公演では計2日間で約8千人を動員した。日本を中心に活動予定のNCT New Team(仮)は、来年正式デビューを予定しており、第4四半期には全国9都市で24公演のファンイベントを行い、プロモーション活動に注力していく。この結果、売上高は55億700万円(前年同期比85.3%増)、セグメント利益は5億9,600万円(前年同期比329.9%増)となった。
ライツ&メディア事業では、当第3四半期連結累計期間においてKPIに掲げているK-POPプレミアムコンテンツをKNTVで計10作品放送した。11年ぶりにインドネシア・ジャカルタで開催された「SMTOWN LIVE 2023:SMCU PALACE@JAKARTA with KB Bank」(SMTOWN LIVE)は東方神起や今年9月にグローバルデビューしたRIIZEをはじめとするSMエンターテインメント所属アーティストが計8組出演した大型コンサートで、KNTVにて生放送をした。第4四半期では、年末に韓国地上波で放送される授賞式などの放送も予定しており、K-POPプレミアムコンテンツの拡充に注力している。KNTVでは引き続き日本初放送のドラマ作品を数多く放送しながら、K-POPファン層へも新規加入促進を図っていく。
ライツ&メディア事業のライツ事業では、韓流コンテンツの人気が継続しておりアーカイブ作品の視聴需要も高まっているため、保有作品の有効活用に注力している。しかしながら、OTTサービス事業者への大型納品が上半期に集中したため当第3四半期においては売上が減少している。第4四半期には「夫婦の世界(原題)」など複数のアーカイブ作品がCSやBS上で放送されることが決定している。メディア事業では、インドネシア・ジャカルタにて9月23日に開催された大型イベント「SMTOWN LIVE」をKNTVにて生放送した結果、9月の新規加入者は本事業年度における月間平均数の約3倍にのぼり、新規加入者獲得に大きく寄与した。その他にも日本初放送の「SUPER JUNIOR-L.S.S. Let’s Standing Show」、KAI(EXO)初のソロコンサート「#Cinema – KAI:Kloor」、BoAの20周年記念コンサート「BoA 20th Anniversary Live – THE BoA:Musicality」といったK-POPプレミアムコンテンツを放送しK-POPファンの新規獲得を促進した。また、韓国地上波MBCで今年放送されたばかりの最新作「朝鮮弁護士(原題)」や、チェ・スヨン(少女時代)出演ドラマ「あなたが願いを言えば」など、多数のドラマ作品を日本初放送し加入者維持に努めている。当第3四半期においては編成ラインナップ強化のための費用が利益を一時的に押し下げる結果となっているが、新規加入者の増加は長期に渡って業績に寄与する見込みだ。この結果、売上高は19億9,200万円(前年同期比21.2%減)、セグメント利益は2億9,300万円(前年同期比65.1%増)となった。なお、前年同期においては株式会社Beyond Live Corporationが子会社であったことから、当第3四半期連結累計期間における売上高は減少している。
その他事業では、売上高は0万円(前年同期比90.9%減)、セグメント損失は2,500万円(前年同期は2,900万円のセグメント損失)となった。なお、エブリシングジャパンが運営するカラオケアプリ「everysing」については、11月6日にサービス終了を予定している。不採算が続いていた本サービスを終了することで、来期以降の連結業績の改善が予想される。
2023年12月期の連結業績予想については、2月14日に公表したものを据え置いた。第4四半期においては、来年正式デビュー予定のNCT New Team(仮)のプレデビューイベントを9都市24公演、東方神起のファンクラブイベントを2都市10公演予定しており、来期のコンサート開催に向けたプロモーションに注力していく。このような特別イベントは通常コンサートに比べてチケット単価が低く設定されているが、新たなファン獲得のための先行投資として戦略的に開催を予定している。