ヒビノ、23年4月~9月期が増収増益で通期予想を上方修正 コロナ禍で抑制されてきたコンサート・イベント市場が急速なペースで復活・拡大
ヒビノは11月6日、2024年3月期第2四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年9月30日)を発表した。
当第2四半期連結累計期間は、コロナ禍で抑制されてきたコンサート・イベント市場が急速なペースで復活、拡大し、コンサート・イベントサービス事業が好調に推移した。販売施工事業、建築音響施工事業においても、顧客の設備投資意欲の回復や都市再開発計画の進展を背景に受注が積み上がり、すべてのセグメントで前年同四半期を上回る売上高及び利益となった。
これらの結果、売上高210億9,000万円(前年同四半期比19.7%増)、営業利益6億1,800万円(前年同四半期は営業損失5億6,000万円)、経常利益8億200万円(前年同四半期は経常損失2億8,500万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益3億2,800万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失2億9,500万円)となった。
販売施工事業は、主軸である業務用音響・映像機器等の輸入販売及び施工において、顧客の設備投資が活発化し、特にコンサート・イベント市場と設備市場で持ち直しが続いている。音楽ホールや都心の再開発ビル、放送局、広告クリエイティブスタジオ等の大型案件に恵まれた。利益面については、円安の進行等に伴う商品仕入原価の上昇を受けて前連結会計年度より段階的に実施している販売価格改定の効果により、収益性が向上している。LEDディスプレイ・システム販売については、都心のエンターテインメント施設及び再開発ビル向けの大型案件を手掛け、好調に推移した。韓国市場は、物価上昇等による景気減速傾向が続く中、直販ビジネスの強化によりシステム案件が増加し、事業規模の拡大が進みた。これらの結果、売上高99億2,200万円(前年同四半期比17.8%増)、セグメント利益100万円(前年同四半期はセグメント損失3億7,800万円)となった。
建築音響施工事業は、放送局の建替やスタジオの新設、都市再開発に伴う文化・交流施設の新築計画が中長期的に控えていることから、良好な事業環境にある。いくつかの大型案件で着工や工程の遅れが発生し、売上の計上時期が下期または来期にスライドしたが、再開発関連や大学施設等の建築音響案件を中心に複数のプロジェクトが進捗したことから、売上高は前年同四半期を上回った。原価低減活動に加え、工事契約金額の見直しが行われたことが寄与し、利益も改善した。これらの結果、売上高33億3,800万円(前年同四半期比20.8%増)、セグメント損失3,400万円(前年同四半期はセグメント損失2億400万円)となった。
コンサート・イベントサービス事業は、主力のコンサート市場が活況を呈しており、ドーム・アリーナツアーや海外アーティストの来日公演等が続々と開催される中、新規アーティストの案件を獲得できたこともあって好調に推移した。また、大規模な集客が可能となったことからイベント演出への投資が増加しており、企業イベント、コンベンション、スポーツイベント等の主要市場でコロナ禍前の売上高を上回った。バーチャルプロダクションについては、テレビドラマ等での継続的な役務提供により、安定的に売上を確保している。さらに、2023年5月に開催された大型国際会議では、国際メディアセンター及び各会場にてCCTV・音響・照明システムの運用を担当したほか、7月に開催された「世界水泳選手権2023福岡大会」では、競技会場4ヵ所とパブリックビューイング会場にて大型映像システムの運用を担当した。これら特需的要素の取り込みも寄与し、グループ全体の売上高及び利益拡大をけん引した。これらの結果、売上高78億2,900万円(前年同四半期比21.9%増)、セグメント利益13億2,400万円(前年同四半期比133.7%増)となった。
通期の連結業績予想については、当第2四半期連結累計期間の業績及び足元の状況を踏まえ、5月12日に公表した予想数値を修正し、売上高480億円(前連結会計年度比14.5%増)、営業利益20億円(同62.7%増)、経常利益21億円(同50.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12億円(同97.5%増)と上方修正した。