バンダイナムコHD、23年4月~9月期のIPプロデュース事業は減収減益
バンダイナムコホールディングスは11月7日、2024年3月期第2四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年9月30日)を発表した。
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高5020億200万円(前年同期比5.1%増)、営業利益654億7,900万円(同19.8%減)、経常利益739億3,100万円(同20.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益521億6,700万円(同21.6%減)となった。
デジタル事業では、家庭用ゲームにおいて、当第2四半期連結会計期間に発売したワールドワイド向け新作タイトル「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」が人気となった。家庭用ゲーム全体では、既存タイトルについては「ELDEN RING」のリピート販売が大きく貢献した前年同期とのプロダクトミックスの違いが業績に影響した。また、新作タイトルの開発費の償却やマーケティング等の費用が先行した。ネットワークコンテンツにおいては、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により安定的に推移した。同事業においては、ワールドワイドで競争が激化するマーケット環境を踏まえ、クオリティを重視したタイトルの開発とロングライフ化に向けたファンとつながり続けるマーケティング施策を推進する。この結果、デジタル事業における売上高は1743億1,600万円(前年同期比10.1%減)、セグメント利益は155億1,600万円(同65.2%減)となった。
トイホビー事業では、原材料価格や燃料価格上昇の影響を受けたものの、好調カテゴリーの商品ラインナップやグローバル展開の拡大、生産体制の強化、リアルイベントや店舗によるタッチポイント拡大等をはかったことにより、引き続き好調に推移した。具体的には、「ガンダムシリーズ」のプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化等により好調に推移した。また、「ONE PIECE」のトレーディングカードゲーム等のカード商材、カプセルトイ等が商品ラインナップやターゲット層、顧客とのタッチポイントの強化等により業績に貢献した。この結果、トイホビー事業における売上高は2498億1,000万円(前年同期比17.1%増)、セグメント利益は457億5,300万円(同36.3%増)となった。
IPプロデュース事業では、映像制作においてアニメーションや劇場作品等複数の新作作品の制作を行った。中でも「機動戦士ガンダム 水星の魔女」は、新規ファン層を獲得し、グループの商品・サービス販売の好調につながった。また、「ガンダムシリーズ」や「ラブライブ!シリーズ」「アイドリッシュセブン」「転生したらスライムだった件」「ブルーロック」等のライセンスビジネスや映像配信等が好調に推移した。一方で映像音楽パッケージの販売における前年同期とのタイトルラインナップの違いや、ライブイベントにおける大型ライブの開催数の減少等により事業全体では前年同期に及ばなかった。この結果、IPプロデュース事業における売上高は333億3,700万円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益は23億4,700万円(同32.1%減)となった。
アミューズメント事業では、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で102.4%となった。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設展開が好調に推移した。業務用ゲームにおいては、新製品「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 オーバーブースト」や人気シリーズのアップデートキットの販売が好調に推移した。また、燃料価格の上昇等の外部環境の変化も踏まえ、引き続き効率化に取り組みた。この結果、アミューズメント事業における売上高は592億5,300万円(前年同期比21.8%増)、セグメント利益は69億7,700万円(同45.2%増)となった。
その他事業では、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。その他事業における売上高は160億3,900万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益は6億6,100万円(同44.7%増)となった。
2024年3月期の連結業績予想は、第2四半期連結累計期間の実績や、第3四半期連結会計期間移行のIPや各事業における商品・サービスの展開、為替相場の変動による影響等を精査した結果、5月10日に公表した予想数値に対し、為替差益等による営業外収益が増加する見込みであることから、経常利益の予想数値を従来予想の1,290億円から3.9%増の1,340億円(前期実績1,280億600万円)に修正した。売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益は据え置いている。