ヤマハ、23年4月~12月期は事業利益28.2%減 今期予想を下方修正
ヤマハは2月6日、2024年3月期第3四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年12月31日)を発表した。
2024年3月期第3四半期の売上収益は、エントリーモデルを中心としたデジタルピアノの需要の戻りが欧米市場で想定より遅れたことや、中国市場の市況低迷の長期化により、楽器の販売が伸び悩んだものの、法人向け音響機器の販売回復に加え、為替の円安による影響もあり、前年同期に対し36億円(1.1%)増加の3,418億円となった。事業利益は、楽器事業の売上減少と在庫削減のための生産調整などにより、前年同期に対し109億円(28.2%)減少の278億円となった。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、製造戦略の見直しにより、中国のピアノフレーム製造工程に対する21億円の減損損失を計上したことなどから、93億円(30.9%)減少の207億円となった。
楽器事業は、売上収益2,281億円(前年同期比1.0%減)、事業利益214億円(同32.0%減)。アコースティックピアノは、中国での販売不振が響き減収となった。電子楽器は、エントリーモデルの需要減により減収となった。管弦打楽器は、日本、欧州での需要回復などにより売上を伸ばし増収となった。セグメント全体の売上収益は、前年同期に対し 24億円の減収となった。事業利益は、100億円の減益となった。
音響機器事業は、売上収益862億円(前年同期比13.3%増)、事業利益41億円(同139.5%増)。個人向け事業は、市況の低迷が継続し減収となった。法人向け事業は、業務用音響機器の需要回復と新商品効果により大幅な増収となった。セグメント全体の売上収益は、前年同期に対し101億円の大幅な増収となった。事業利益は、24億円の増益となった。
部品・装置、その他の事業は、売上収益275億円(前年同期比13.2%減)、事業利益24億円(同58.3%減)。電子デバイスは増収となり、FA機器、ゴルフ用品は減収となった。セグメント全体の売上収益は、前年同期に対し42億円の大幅な減収となった。事業利益は、33億円の減益となった。
2024年3月期 通期業績予想は、回復の兆しがあったエントリーモデルを中心としたデジタルピアノの需要回復が想定より遅いことや、中国市場の市況低迷の長期化による売上収益の減少と、さらなる減産による工場損益悪化などを織り込み、売上収益、事業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益を下方修正する。
11月1日に公表した売上収益4,650億円(前期比3.0%増)、事業利益420億円(同8.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益345億円(同9.6%減)から、売上収益4,600億円(同1.9%増)、事業利益340億円(同25.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益290億円(同24.1%減)に修正する。