NexTone、23年4月~12月期は大幅増収も成長分野への先行投資により営業利益は横ばいに
NexToneは2月9日、2024年3月期第3四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年12月31日)を発表した。
当第3四半期連結累計期間の同社グループの経営成績については、主力の著作権管理事業及びデジタルコンテンツディストリビューション事業が堅調に推移した他、新たにレコチョク及びエッグスを連結の範囲に含めたことにより売上高は大幅増収となった。利益面では、既存事業の増収に伴う増益の他、前年同期に発生した役員退職慰労金制度廃止に伴う一時的な人件費増加要因がなくなったことがあった一方、新たに連結の範囲に含めた連結子会社における成長分野への先行投資により、営業利益及び経常利益は減益となったが、連結子会社において補助金の収入を特別利益に計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。
以上の結果、売上高は87億4,499万円(前年同期比136.4%)、営業利益は5億1,654万円(同98.0%)、経常利益は5億1,722万円(同97.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億413万円(同112.0%)となった。
著作権管理業務は、CD/映像ソフトのリリース、配信市場の伸長、管理楽曲の増加が堅調に推移するとともに新規取引先開拓や楽曲特定精度の向上による徴収額増加等に取り組んできた。また、「演奏権」「海外」の取扱高も順調に増加している。以上の結果、売上高は8億5,713万円(前年同期比119.0%)、セグメント利益は3億4,968万円(同100.4%)となった。
デジタルコンテンツディストリビューション(DD)事業は、レコチョク及びエッグスにおいては両社の損益計算書の連結を開始した2023年10月から12月までの業績であることから、売上の大半を同社の業績が占めている。当該期間は、取扱原盤が順調に増加したこと等により業績は堅調に推移した。Afterコロナにおける余暇時間の使い方の変化や配信市場規模拡大に伴う市場成長率の変化の傾向がみられる中、更なる営業活動の強化による新規取引先との契約や、海外におけるコンテンツの配信拡大を目指し米国の音楽テクノロジー企業・AudioSalad社とのパートナーシップの構築等に取り組んだ。以上の結果、売上高は55億1,298万円(前年同期比104.6%)と増収となったが、レコチョクにおけるシステム開発等の先行投資により、セグメント利益は6億1,987万円(同85.7%)となった。
レコチョクにおける従前からの基幹事業である音楽配信(個人向け・法人向け)をセグメントとして新たに設定した音楽配信事業では、主力サービスの「dヒッツ」が安定的に推移したほか、店舗向けBGM配信サービスの契約店舗数の拡大等に取り組み、堅調に推移した。以上の結果、売上高は19億6,035万円、セグメント利益は3億473万円と、レコチョクの新規連結により前年同期比で純増加となった。
上記に含まれないその他事業は、キャスティング事業においてAfterコロナでのリアルイベント活性化を受け、人気アーティストのコンサートツアーや人気ミュージカルのライブビューイングが好調であったことに加え、自主興行フェスの開催等様々なサービスの開発提供に取り組んだ他、システム開発、ソリューション事業、エージェント事業において着々と各事業の拡大を進めてきた。以上の結果、売上高は9億4,465万円(前年同期比135.6%)と増収となったが、レコチョクのソリューション事業におけるシステム開発の先行投資等によりセグメント損失は2,875万円(前年同期は4,626万円の利益)となった。
2024年3月期の連結業績予想は、2023年11月10日に公表したものを据え置いた。