ティアック、23年4月~12月期は1.8億円の赤字に転落
ティアックは2月14日、2024年3月期第3四半期の連結業績(2023年4月1日~2023年12月31日)を発表した。
当第3四半期連結累計期間は、その他に区分する産業用光ドライブ事業の縮小に加え前年度好調であった半導体装置市場が需要減少する一方で、円安進行により原価が上昇、また人的資本やマーケティング活動への投資を進めた事から、売上収益および営業利益は前年同期と比較して減少した。また、為替相場の変動に伴い為替差損を1億1,600万円計上した事により、親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期と比較して減少し損失となった。
この結果、同社グループの当第3四半期連結累計期間の売上収益は112億1,500万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は1億100万円(同74.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は1億8,700万円(前年同期親会社の所有者に帰属する四半期利益1億8,100万円)となった。なお、同社のBtoC事業は第3四半期、BtoB事業は第4四半期にそれぞれの需要期を迎えることから、同社グループの業績は、売上、利益ともに下半期に偏重する傾向がある。
音響機器事業の売上収益は、80億7,400万円(前年同期比10.2%増)となり、セグメント営業利益は8億8,300万円(同41.8%増)となった。ハイエンドオーディオ機器(ESOTERICブランド)は、SACDプレーヤーラインナップの堅調な販売と、前期に上市したGrandiosoシリーズのセパレートアンプや新たに販売を開始した高音質LPレコードも好調に推移し、前年同期比で増収となった。プレミアムオーディオ機器(TEACブランド)は、最上位のReference 700シリーズ、フルサイズコンポが堅調に推移し、国内販売は前年同期比で増収となったが、海外販売では中国の景気後退や米国での販売代理店変更の影響により販売が伸び悩み、全体では前年同期比で減収となった。音楽制作・業務用オーディオ機器(TASCAMブランド)は、BtoB事業において設備市場向け主力録音再生機の販売が堅調に推移したことに加え、業務用ミキサーの販売が好調となり、前年同期比売上増に貢献した。BtoC事業においては、年末セールスシーズンを背景に、クリエイター向け主力商品が海外を中心に好調な販売となった。その結果、音楽制作・業務用オーディオ機器全体では前年同期比で増収となった。
情報機器事業の売上収益は、24億7,300万円(前年同期比20.0%減)となり、セグメント営業損失は1億600万円(前年同期営業利益2億800万円)となった。計測機器は、データレコーダーにおいては、海外向け出荷が伸びなかったが、国内は計測需要が回復し出荷台数も増加したことから、全体としては堅調な推移となった。センサーおよびデジタル指示計においては、シリコンウエハー製造装置向けなど上流市場は好調に推移したが、その他半導体装置市場向け出荷が低調に推移したことから、計測機器全体では前年同期比で減収となった。医用画像記録再生機器は、4K手術画像記録用レコーダーが国内・海外ともに好調に推移した。特に大手検査装置メーカーのオプション採用が決まり、今後更なる成長が見込める。しかしながら、国内消化器内視鏡の大幅な出荷減と、欧州市場におけるFull HDレコーダーの販売不振をカバーできず、同部門では前年同期比で減収となった。機内エンターテインメント機器は、海外顧客向けの保守部品販売が前期で終了したことから同部門では前年同期比で減収となった。ソリューションビジネスは、受託開発案件の受注が低調であったこと、また医用向けサーバーの受注が減少したことから前年同期比で減収となった。
2024年3月期の連結業績予想は、2023年5月12日に公表したものを据え置いた。