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ヤマハ、AI歌声合成×プロ音楽クリエイターによる音楽制作実証実験にVOCALOID β-STUDIOのAIを活用した試作プラグイン「VX-β」を提供

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ヤマハは、プロ音楽クリエイターを中心に構成されるAI生成ツール研究会「ARS」が行う音楽制作実証実験に協力し、同社の「VOCALOID β-STUDIO」が開発するAIを活用した歌声合成の試作プラグイン「VX-β(ブイエックス ベータ)」を提供した。VX-βには、本実証実験のために特別に、プロの音楽制作現場で使えることを目指して新開発した専用のボイスバンクを搭載している。

VOCALOID β-STUDIOは、合成音声の常識を打ち破ることを目的とする研究スタジオとして誕生した。2023年8月には、音楽制作ソフト(Digital Audio Workstation:DAW)上で歌声合成を可能にするAIを活用したVX-βを一般公開(抽選制)し、従来の音楽制作の枠にとらわれない音楽作品の創出のあり方を模索している。

このたびのARSに参加するプロ作曲家による実証実験は、音楽業界で活躍するクリエイターがVX-βを用いて楽曲を制作することで、AI歌唱がもたらす楽曲や制作プロセスの新たな価値を検証するもの。また、制作された楽曲のパラデータやMIDIデータ、セッションデータも公開することで、これらデータを用いた二次創作の可能性を探求するとともに、新たなビジネスの展望についても考察を行う。

ヤマハはこの実証実験に賛同し、ストレートな声質が魅力のシンガーソングライターElleyの歌声をベースにした、プロ音楽クリエイター向けのVX-β専用ボイスバンク「L(エル)」を新たに開発・提供した。Lは特にポップスのジャンルに強みを持ち、メインボーカルからコーラスまで幅広くこなせる“プロの音楽制作現場で使える”ことを目指して開発したもので、一般配布予定はないという。同社は音楽制作を生業とするプロの音楽家にVX-βを提供することで、いわゆるボーカロイド楽曲といった特定のジャンルに限らない幅広い音楽ジャンルで、従来の歌声合成の常識を覆すような楽曲が生み出されることを期待している。現在、浅田祐介氏、田辺恵二氏、中山翔吾氏をはじめとする音楽クリエイター約40名が参加しており、その楽曲は、本日よりARS公式ウェブサイトなどで公開する。

さらにARSは、実証実験に参加したクリエイターを対象に、VX-βを用いた音楽制作ハッカソンイベント「ARS presents VX-β 作家ソン(作家×ハッカソン)supported by Yamaha VOCALOID β-STUDIO」を、4月6日から7日にかけて開催する。

本イベントでは、当日までに制作された楽曲を紹介することはもちろん、プロ音楽クリエイター同士が短時間で音楽を共同制作するハッカソン形式の試みも行い、AI歌声合成技術とプロ音楽クリエイターの自由な発想が掛け合わさった“未来のヒット曲”の創出に挑戦する。本イベントはオンラインで一般公開する。

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