日本クラウンと徳間ジャパンがDomoを採用 データ活用でヒット曲の動向分析、意思決定の迅速化、社員のデータリテラシー向上へ
日本クラウンと徳間ジャパンコミュニケーションズは3月13日、音楽業界のビジネスモデルの変化に対応していくため、クラウド型データ活用プラットフォーム「Domo」を採用したことを発表した。
1960年代に創業された日本クラウンと徳間ジャパンコミュニケーションズは、北島三郎や水森かおりなどの演歌歌手やスタジオジブリの映画音楽など、多数のアーティストや音楽を世に送り出し続け、日本の音楽文化の発展に寄与してきた。現在は第一興商の音楽ソフト事業グループとして運営している。
近年、音楽の視聴方法に大きな変化がみられ、日本レコード協会がレコード生産統計の基礎データや関連資料をまとめた「日本のレコード産業2023」によると、定額制聞き放題のサブスクリプションなど、データをダウンロードせずに音楽を聴く「ストリーミング」の売上金額は年々増加し、2022年は5年前の約3.5倍の928億円に達したとされている。
このようにデジタル音楽配信が広まり、取得できるデータの量が増え続けるとともに、日本クラウンと徳間ジャパンコミュニケーションズでは、データ集計や分析業務の負担が加速度的に増していた。また、CD販売と異なり、デジタル音楽配信の売上構造は複雑なため、従来の集計法で正確に収支を把握することは困難だった。さらに、時間をかけて作成したレポートでは、ストリーミング再生のヒットの兆しを発見することも困難だった。
デジタル配信でのヒットを狙っていくためにも、データ活用の必要性が高まってきた。そこで、両社は売上構成、配信構成、印税管理など音楽業界の特殊な経営構造にも対応できるデータ活用プラットフォームの検討を始めた。楽曲を分析するためのデータ準備として、Domoが社内外のあらゆるソースからデータを収集、集計、加工、統合していく一連の機能を備えている点、そして、両社が今後実現したいと考えていた、ストリーミング再生数の目標管理や、カレンダー形式でのプロモーション施策の共有による迅速なアクションの実行などを、Domoを活用しているユーザーがすでに実現している点を評価した。また、Domoが広く音楽業界で導入されている実績があり、音楽業界の知見が備わっている点にも安心感を得たため、Domoの採用を決定した。
日本クラウンと徳間ジャパンコミュニケーションズの取締役会においても両社ともDomoを活用する意向で、収支報告の内容やヒットしている楽曲動向などを同じ粒度で分析、説明ができるようになる。また、経営層の要望に即した分析をその場で対応できるようになるため、より迅速に戦略的な意思決定をすることが可能になる。
制作、宣伝、営業、管理部門など各部署から選出されたメンバー(現場のリーダー的な存在)と連携しながら、ハブ&スポーク型でデータ活用を各部署に広げていくという。いままで業務を圧迫していた、データの収集や分析はDomoに任せ、社員一人ひとりが本来の業務に集中できるように支援する。さらに、全社的にデータ活用を推進していくことで、社員のデータリテラシーを向上させ、働き方自体を変えていくことを目指すとのこと。