YouTube、生成AIなど「改変または合成されたコンテンツ」について視聴者に開示するツールを導入

2024年3月19日 16:29

YouTubeは、視聴者が実際の人物、場所、出来事だと勘違いしやすい、実物のように見えるコンテンツについて、改変または合成されたメディア（生成AIを使用したものを含む）で作成したコンテンツであることを視聴者に開示するよう、クリエイターに求めるツールをYouTube Creator Studioに導入する。ただし、明らかに非現実的であるコンテンツ、アニメーションコンテンツ、特殊効果が含まれるコンテンツ、または制作作業をサポートする目的で生成AIを使用したコンテンツについては、クリエイターによる開示は不要だ。

生成AIは、ストーリーボードのアイデア出しや、創作工程をサポートするツールとして活用されるなど、クリエイターが自身を表現する人法をさまざまな面で変革している。それに伴い、視聴者は、コンテンツが改変や合成によって作成されたものかどうかについて透明性を求めるようになってきている。

今回の取り組みは、昨年11月に発表した責任あるAIイノベーションに対するYouTubeのアプローチに基づいている。このアプローチには、情報開示要件とラベル表示、更新されたプライバシー侵害の申し立てが含まれており、YouTubeのすべてのAI製品および機能に責任をもって組み込まれるよう徹底している。

新しいラベルは、視聴者に対する透明性を高め、クリエイターと視聴者の間に信頼を築くためのもので、ラベル付けが必要になるのは、以下のようなコンテンツの場合だ。

実在する人物のように見せている：デジタル改変により、ある人物の顔を実在する別の人物の顔に置き換えたり、合成した人物の声を動画のナレーションに使用したりしているコンテンツ。
実際の出来事や場所の映像を改変している：実在する建物で火事が発生しているように見せたり、実在する都市景観を実際とは違って見えるよう改変したりしているコンテンツ。
現実的な風景を生成している：実在する都市に向かって移動している竜巻など、架空の大きな事件をリアルに描写したコンテンツ。

同時に、YouTubeは生産性を高めるために生成AIを使用している場合、あるいは合成したメディアが非現実的な場合や、改変の重要度が低い場合も開示は求めない。具体例は以下の通り。