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レコ協会員レコード会社による発信者情報開示請求訴訟、違法アップローダーの氏名等の開示を命じる判決下る

ビジネス 音楽業界

日本レコード協会(RIAJ)

3月22日、東京地方裁判所はインターネットサービスプロバイダのソフトバンクに対し、ファイル共有ソフト「BitTorrent」を利用してインターネット上に大量の音楽ファイル(以下、音源)を継続して違法にアップロードしていたIPアドレスの利用者の氏名、住所等(以下、発信者情報)を、音源の権利を有する日本レコード協会会員レコード会社に開示するように命じる判決を下した。

同裁判所は、2023年12月22日にソニーネットワークコミュニケーションズに対して、2024年1月18日にソフトバンクに対して、1月30日にユニアデックスに対して、1月31日にハイホーに対してそれぞれ同様の判決を下している。また、2023年8月10日、名古屋地方裁判所がインターネットサービスプロバイダの中部テレコミュニケーションに対して、同様に開示を命じる判決を下している。

本件は、同協会会員レコード会社がインターネットサービスプロバイダ16社を対象に、自らが権利を有する音源をBitTorrentを利用して許諾なくアップロード(公開)している者に対し、著作隣接権(送信可能化権)侵害に係る損害賠償請求等を行うため、「プロバイダ責任制限法」第5条1項に基づき、インターネットへ接続していた26のIPアドレスについて、各利用者の氏名、住所および電子メールアドレスの開示を求めていたもの。

そのうち14のIPアドレスについてはインターネットサービスプロバイダから任意に発信者情報が開示されたが、上述のインターネットサービスプロバイダ5社がサービス利用者の発信者情報の開示に応じなかったため、2023年東京地方裁判所、名古屋地方裁判所および津地方裁判所に発信者情報開示請求訴訟を提起していた。

今回の判決により、発信者情報の開示を求めていた26のIPアドレスのうち、ログの保存が無かった1つを除いた25のIPアドレスの発信者情報が開示された。同協会会員レコード会社は、発信者情報開示請求によってインターネットサービスプロバイダから任意に開示された14のIPアドレスの発信者情報に基づき、代理人弁護士を通じて違法アップローダーとの間で「今後著作権侵害をしない旨の誓約」および「損害賠償金の支払い」に関する協議(以下、和解協議)を随時進めており、3月25日までに11名のアップローダーと合意(損害賠償金の平均金額は約40万円)している。本件訴訟により情報が開示された違法アップローダーに対しても速やかに損害賠償請求等を行う予定としている。

なお、同協会会員レコード会社は、2023年末に、BitTorrentを利用した違法アップローダーに関わる新たな発信者情報開示請求を実施しており、インターネットサービスプロバイダから任意で発信者情報が開示された12のIPアドレスについて、そのアップローダーと和解協議を進めている。

同協会および同協会会員レコード会社は、「音楽配信市場の健全な発展とこのような著作権法違反行為の撲滅のため、今後もファイル共有ソフト等を利用した権利侵害行為への対応を積極的に進めてまいります」と伝えている。