ヤマハ、23年4月~24年3月期は最終利益22.4%減 今期最終は14.7%増の見込み
ヤマハは5月8日、2024年3月期の連結業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表した。
2024年3月期の売上収益は、デジタルピアノの需要回復が遅れたことや、中国市場の市況低迷の長期化により、楽器の販売が伸び悩んだものの、法人向け音響機器の販売好調に加え、為替の円安による影響もあり前期に対し115億円(2.5%)増加の4,629億円となった。事業利益は、楽器事業の売上減少と在庫削減のための生産調整などにより、前期に対し122億円(26.6%)減少の337億円となった。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、中国とインドネシアのピアノ製造工程に対する32億円の減損損失を含む、構造改革費用43億円を計上したことなどから、85億円(22.4%)減少の296億円となった。
楽器事業は、売上収益3,052億円(前期比0.8%増)、事業利益253億円(同30.1%減)となった。アコースティックピアノは、中国での販売不振が響き減収となりました。電子楽器は、デジタルピアノが需要減および市場在庫が多く出荷が進まなかったことにより減収となりました。管弦打楽器は、堅調な需要により大幅な増収となりました。ギターは、エレキギターの販売が好調に推移したことと買収したコルドバ社が加わったことにより大幅な増収となりました。セグメント全体の売上収益は、前期に対し、実質減収であったものの為替の円安により、25億円の増収となりました。事業利益は、実質減収と在庫削減のための生産調整などにより、109億円の減益となりました。
音響機器事業は、売上収益1,211億円(前期比12.5%増)、事業利益64億円(同84.9%増)となった。個人向け事業は、市況の低迷が継続し減収となりました。法人向け事業は、業務用音響機器の旺盛な需要と新商品効果により大幅な増収となりました。セグメント全体の売上収益は、前期に対し135億円の大幅な増収となりました。事業利益は、29億円の増益となりました。
部品・装置、その他の事業は、売上収益366億円(前期比11.1%減)、事業利益19億円(同68.9%減)となった。電子デバイスは、車載オーディオの採用拡大により増収、ゴルフ用品は、大幅な減収となりました。セグメント全体の売上収益は、前期に対し46億円の大幅な減収となりました。事業利益は、43億円の減益となりました。
2025年3月期の通期業績予想は、モデルミックスの改善や構造改革によるコストダウン効果などを織り込み、売上収益4,650億円(前期比0.5%増)、事業利益450億円(同33.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益340億円(同14.7%増)とする。なお、本予想における想定為替レートは、対USドル145円、対ユーロ155円となっている。