88rising、日本含むアジアDIYアーティスト向けに流通エコシステム構築
数々のJ-Popアーティストを世界に送り出し注目を浴びるアメリカの88rising。音楽レーベル、マネジメント会社、グローバルブランド、メディアプラットフォームなど、さまざまな顔を持つ同社のショーン・ミヤシロCEOら幹部はインタビューで、新部門の設立準備を進めていることを明らかにした。Billboardが4月25日伝えた。
88risingは現在、自社のインフラとノウハウを生かした、アジアのインディペンデントアーティストのための流通エコシステム「FAM(Future of Asian Music)」の構築に取り組んでいるという。全てのアーティストたちの中で、自身をどのように位置付けるか、それを表現するための手段になるとしている。
また、米カリフォルニア州で開催される世界最大級の音楽フェスティバル「Coachella(コーチェラ)」で自社が主催するステージについて、今年はYOASOBIやNumber_i、新しい学校のリーダーズなど日本人アーティストが多数出演したが、これは「意図的なものではなかった」と説明。「新しいアーティストを容易に紹介できることが好きだ」と述べた。
将来的にCoachellaでは、よりオーケストレーションされた、テーマのあるシームレスなステージ演出を計画しているという。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「88risingは、大阪生まれでBillboard Top10入りを果たしたJojiを輩出した頃から注目していた。イギリスで成功を収めたリナ・サワヤマもそうだったが、そのニュースは国内メディアで紹介しても反応が薄かった。しかしJ-Popの世界進出が本格化した今では、88risingの名は業界に知れ渡り、Musicmanのインタビュー記事もロングランを続けている。音楽産業の将来を象徴する新しい業態でもあり、今後もフォローアップしたい」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。