ぴあ、23年4月~24年3月期は経常利益53.5%増 今期は40.9%増の見込み
ぴあは5月9日、2024年3月期の連結業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表した。
同社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高395億8,700万円(対前年同期比120.8%)、営業利益12億900万円(同147.5%)、経常利益9億2,200万円(同153.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益11億1,800万円(同79.0%)となった。
新たな中期経営計画(2023~2025年度)の初年度となる当連結会計年度における同社グループの連結業績は、プロスポーツジャンルの観客増や人気アーティストの全国ツアー、音楽フェスの活況、ドーム規模の大規模来日公演増等により、取扱高ベースでの売上は2,400億円規模となり、過去最高の水準となった。
加えて、主催イベントやメディアコンテンツ商品の多角化、ぴあアリーナMM稼働率の向上、ぴあカード会員の増加等、チケッティングビジネスを核とした周辺事業も順調に推移し、営業利益は期初想定通り、当期利益は想定を上回る結果となった。
同時に、中期経営計画に沿い、「デジタルメディア・データマーケティング事業」「ホスピタリティ事業(VIP向け高付加価値チケットの販売)」「グローバル・イベント事業(万博等国際的イベントのチケッティング業務受託や、エンタメコンテンツの輸出入事業)」等、新規事業群への戦略的投資活動を強化。同時に、正社員の登用・中途社員の採用や、従業員の給与アップ・待遇改善・福利厚生の充実化といった、人的資本経営への取り組みへも注力した。
売上に貢献した主なイベントや商品
- イベント
- プロ野球公式戦
- サッカーJリーグ
- 大相撲
- リポビタンDチャレンジカップ
- FCバイエルン・ミュンヘン対マンチェスター・シティFC AudiFootball Summit
- 横浜F・マリノス対マンチェスター・シティFC 明治安田Jリーグワールドチャレンジ2023
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL
- ぴあフェス(同社主催)
- ap bank fes
- MTV VMAJ 2023(同社主催)
- COUNTDOWN JAPAN
- JAPAN JAM
- KCON JAPAN 2023(同社主催)
- コールドプレイ
- ブルーノ・マーズ
- Stray Kids
- ビリー・ジョエル
- エド・シーラン
- B’z
- 松任谷由実
- Mrs.GREEN APPLE
- Mr.Children
- 福山雅治
- UVERworld
- JO1
- INI
- Vaundy
- レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
- ONE OK ROCK
- コミックコンベンション
- シルク・ドゥ・ソレイユ・アレグリア
- ディズニー・オン・アイス
- メデイアコンテンツ商品
- 厚切りジェイソンのお金の稼ぎ方
- 大谷翔平語録
- 森のカフェと緑のレストランシリーズ
2024年度(2025年3月期)の同社業績については、基幹事業群の伸長と新規事業群の成長により、当期業績を上回る売上高400億円(対前年度比101.1%)、営業利益14億円(同115.7%)、経常利益13億円(同140.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益については、業績回復に伴う法人税の発生増を織り込んで8億円を想定している。
また、中期経営計画の最終年度(2025年度)には、基幹事業群の売上高を高水準に維持しつつ、周辺ビジネスの拡大や、チケット流通事業における取引条件の適正化を含む収益モデルの改善を図るとともに、新規事業群においては、特に「大阪・関西万博」入場券販売とプロモーション拡充も踏まえた受託事業の完遂を目指す。ホスピタリティ事業のビジネスモデルの定着と事業機会の拡大、デジタルメディア・データマーケティング事業の着実な伸張も含め、その営業利益は、2024年度水準の約倍増となる28億円を予想している。
この結果、2025年度中には、コロナ禍で生じた多額な累損(最大2021年度末▲49億円、2023年度末▲24億円まで回復)を一掃し、ならびにこの間無配を余儀なくされていた事態を脱することで、復配の実現を目指すとのこと。