ローランド、7月から新社長に蓑輪雅弘氏「今以上のスピード感を持ってチャレンジ」

2024年5月9日 16:55

ローランドは、同社代表取締役社長CEOであるゴードン・レイゾン氏から、一身上の都合により6月30日をもって辞任する申し出があったことを受けて、5月9日開催の取締役会において、代表取締役COO兼CIOの蓑輪雅弘氏を代表取締役社長CEOに選定することを決議したと発表した。就任日は7月1日。

ゴードン・レイゾンは、同社アドバイザーに就任する予定だ。

生沼寿彦氏（指名報酬委員長、社外取締役）コメント

当社取締役会は、家庭を最優先するレイゾン氏の決断を尊重し、改めて彼のローランドへの貢献に敬意を表するとともに感謝申し上げます。彼の業績は枚挙にいとまがありませんが、少なくとも以下の素晴らしい業績は、この機会に皆様にお伝えしたいと思います。

日本本社と海外拠点が強く連携できる体制を構築し、正にOne Rolandとして有機的に機能させ会社のグローバル化を大きく推進させた。
セールスを率いた経験を元に三木前社長が目指した「Marketing Driven Company」に相応しい変革を会社にもたらした。
外国人社長としてのネットワークを駆使してDrum Workshop社の買収を成功させ、ドラム＆パーカッション事業の、将来の発展の礎を築いた。
卓越したコミュニケーション能力により、証券市場において会社の業績と将来性に対する信頼と信用を築いた。

レイゾン氏におかれましては、今後はアドバイザーとしての立場ではありますが蓑輪新社長をサポートし、英国から出来得る限りの形でローランドに貢献していただけるものと確信しています。取締役会は、蓑輪新社長の経営を監督するとともに、各人の専門性を十二分に活用し、持続的な企業価値向上を推進してまいります。

ゴードン・レイゾン氏コメント

2013年に入社以来、私たちは前任の三木社長のリーダーシップのもと、驚くべき変革を遂げてきました。2014年にMBOを実行し、まさに奇跡的な再建を成し遂げ、2020年12月には再上場を果たし、その後も製品を向上させ、売上と利益を拡大させてきました。
2022年3月に三木社長からCEOのバトンを引き継ぎいだ私の役目は、“Japanese Global Company”としてローランドがさらに成長していくために、世界中で働くローランドメンバーを、より強く結束力のあるチームに磨き上げ、次世代にバトンを引き継ぐことでした。世界的なコロナ感染の拡大は楽器市場に大きな混乱をもたらしましたが、次期 CEO である蓑輪氏を含めたマネジメントチームは、素晴らしいチームワークと機敏な対応によってこの世界的な危機を乗り越え、ローランドはより強く、より良い企業に生まれ変わりました。
楽器業界は過去にも様々な危機を経験しましたが、人間の根源的な欲求や文化に根差した楽器演奏や音楽制作は、長期的視野に立てば、安定的に成長を続けるマーケットです。このような考えのもと、私はコロナの危機に対応すると同時に、これから訪れる再成長フェーズに向けて様々な投資も行いました。2022年10月に実行したDrum Workshop社の買収、Roland Cloudに関する投資、基幹インフラの刷新など、これらは今後のローランドの成長を支えていくものになると確信しています。
後任の蓑輪氏は将来的なCEO候補として2022年3月より取締役CIOとして技術、マーケティング部門を統括し、2024年3月からは、代表取締役COO兼CIOとして経営全般にも携わっています。技術分野をバックグラウンドに持ち、Roland Cloudビジネスの発展においてリーダーシップを発揮し、営業やマーケティングの経験も豊富な蓑輪氏は、現在進めている中期経営計画を着実に実行するとともに、将来の成長の鍵となるRoland Cloudの発展を確実なものとするために最適な人材です。
本来であれば、今任期満了ののち蓑輪氏にバトンを引き継ぐ予定でありましたが、家庭の事情により、どうしても英国へ帰国せねばならず任期中での交代となってしまいます。私は6月末をもってすべての役職から退きますが、アドバイザーとして蓑輪氏や経営陣をサポートしていきたいと考えています。皆様のご支援に心から感謝いたします。ありがとうございました。

蓑輪雅弘氏コメント

レイゾン社長の家庭の事情により予定より早い交代となりましたが、指名報酬委員会、取締役会からの信任に感謝すると同時に、レイゾン社長と進めてきたチャレンジを引き継ぎ、音楽の新しい歴史を作り続けるローランドを率いていくことに大きな誇りを感じています。
ローランドは、MBO後の第2の創業フェーズ、再上場後の真のグローバル化フェーズを経て、次のステージへ移行しようとしています。
私は、幼少期からピアノやキーボードを弾くことに強い興味を持ち演奏を楽しんできました。一方で楽譜を読んで弾くということは苦手で、次第に楽器演奏からは疎遠になってしまいました。そんな中、幸運にも高校時代にバンドを組む機会を得て、仲間と演奏する楽しさを知りました。大学時代はパソコン、インターネットの黎明期で、電子楽器とパソコン、インターネットを使えば、自身が演奏できなくても音楽をクリエイトでき、世界中の人と音楽を共創できる可能性を感じ没頭しました。同じ志を持った世界中の人とアイデアや技術を語り合う中で、音楽の未来に胸を躍らせ、大学卒業後の1996年に、大きな志を持って当社に入社しました。
今やパソコンやスマホはもちろんのこと、家電や車など、身の回りのあらゆるものがインターネットとのコネクティビティを活用し、ユーザーに多くの付加価値をもたらしている中で、電子楽器はまだその緒に就いたばかりです。現在推進しているRoland Cloudのコンテンツやサービスをさらに拡張させつつ、Roland Cloudに対応したハードウェアの比率を高めていくことで、より多くの音楽を愛する仲間たちに新たな UX（User Experience）を提供し、新しい音楽文化を生み出していけると確信しています。
今以上のスピード感を持ってチャレンジを続けてまいります。これからのローランドにぜひご期待ください。