広告・取材掲載

ヒビノ、23年4月~24年3月期は経常利益110.8%増

ビジネス 音楽業界

ヒビノは5月13日、2024年3月期の連結業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表。売上高504億9,100万円(前連結会計年度比20.4%増)、営業利益28億1,400万円(同128.9%増)、経常利益29億5,100万円(同110.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16億2,700万円(同167.8%増)となった。

販売施工事業は、主軸である業務用音響・映像機器等の輸入販売及び施工において、顧客の設備投資が活発化しており、首都圏の新設音楽アリーナをはじめ、ホール、大学施設、再開発ビル、放送局及び映像ネットワーク会社等の大型案件に恵まれた。利益面については、円安の進行等に伴う商品仕入原価の上昇を受けて前連結会計年度より段階的に実施している販売価格改定の効果により、収益性が向上している。LEDディスプレイ・システム販売については、JR駅構内、都内エンターテインメントシティ、首都圏の新設アリーナ、企業ミュージアム及び再開発ビル向けの大型案件を手掛け、好調に推移した。また、第3四半期に連結子会社化したエヌジーシー及び前連結会計年度に連結子会社化したCerevoの業績寄与があった。韓国市場は、物価上昇等による景気減速傾向が続く中、直販ビジネスの強化によりシステム案件が増加し、事業規模の拡大が進みた。これらの結果、売上高251億2,300万円(前連結会計年度比24.8%増)と過去最高を更新し、セグメント利益11億9,400万円(同165.4%増)となった。

建築音響施工事業は、放送局の建替やスタジオの新設、都市再開発に係る文化・交流施設の新築計画が中長期的に控えていることから、良好な事業環境にある。いくつかの大型案件で着工や工程の遅れが発生し、売上の計上時期が来期にスライドしたが、ホール、シネマコンプレックスを含む開発関連や大学施設等の建築音響案件をはじめ、メディア関連の大規模プロジェクトが進捗し、売上高及びセグメント利益は前連結会計年度を上回った。原価低減活動に加え、工事契約金額の見直しが行われたことも利益改善に寄与している。これらの結果、売上高92億6,700万円(前連結会計年度比16.4%増)、セグメント利益6億5,700万円(同41.2%増)となった。

コンサート・イベントサービス事業は、主力のコンサート市場が活況を呈しており、ドーム・アリーナツアー案件が集中したほか、海外アーティストの来日公演や新進気鋭のアーティスト案件を獲得し、好調に推移した。企業イベント、コンベンション、スポーツイベントの市場においてもイベント規模が拡大し、コロナ禍前の売上高を上回った。特に「東京モーターショー」から進化し4年ぶりの開催となった「ジャパンモビリティショー」が過去の東京モーターショーを超える最大規模の受注額となったことに加え、「G7広島サミット」「世界水泳選手権2023福岡大会」等の特需案件が寄与した。バーチャルプロダクションの取り組みについては、3つの常設スタジオが稼働し、CM、ドラマ等の制作現場への導入が一層進むなど、安定的に売上を確保している。これらの結果、売上高160億9,900万円(前連結会計年度比16.4%増)、セグメント利益23億5,800万円(同64.3%増)となり、売上高及びセグメント利益ともに過去最高を更新した。

2025年3月期の連結業績の見通しについては、売上高560億円(当連結会計年度比10.9%増)、営業利益32億円(同13.7%増)、経常利益30億円(同1.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億5,000万円(同7.5%増)を見込む。

関連タグ