増収増益で音楽売上世界一のUMG、今年の目標はスーパーファンの収益化

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米ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)5月2日、第1四半期(1〜3月)の売上高(恒常為替レートベース)が前年同期比7.9%増の25億9,400万ユーロになったと発表した。 EBITDA(利払い・税引き・償却前利益、特別損益除く)は15.9%増の5億9,100万ユーロ。決算説明会では、前日に公表したTikTokとの再契約のほか、スーパーファンの収益化計画などについても言及した。

UMGとTikTokは、アーティストなどに大きな利益をもたらす新たな多角的ライセンス契約を結び、TikTokの10億人を超えるグローバル・コミュニティにUMGの楽曲が戻ることとなった。UMGのルシアン・グレンジ会長兼CEOは決算説明会で、TikTokが「プラットフォーム上の生成AIに関する懸念への対処や、他の同等のパートナーシップの価値との整合性向上など、われわれにとって非常に重要ないくつかの重要な分野における主要な変更に合意した」と述べた。

今年の戦略に掲げているスーパーファンの収益化について同社は「有料音楽配信契約者の5人に1人が、より高価格帯のプランに加入しても良いと考えている」との調査結果から、楽観的な見方を示した。UMGは3月、韓国・HYBEのグローバルファンプラットフォーム「Weverse」に出資すると明らかにした。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「広く浅く取るサブスクの普及が目標だった時代が終わり、デジタルでも深堀りを目指すようになると3年前、拙著で語ったがスーパーファンの収益化はそのひとつ。中国テンセント・ミュージックがそのモデルを作ってUMGが注目していると当時書いたが現実化してきた。実は、日本のファンクラブを中国はDXした。韓国のWeverse、日本ならエムアップ、THECOO、SKIYAKIがファンクラブ・プラットフォームでは有名だ。SKIYAKIがスペシャと経営統合する際、特別インタビューでスーパーファンについて詳しく聞いているのでご一読いただけれ幸いだ」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。

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