Spotify、無料ユーザーの歌詞表示に上限 3.8億人に影響
Spotifyは月間アクティブユーザー6億1,900万人の6割に当たる無料プラン会員に対し、歌詞の表示件数に上限を設定したもようだ。同社はこの変更について、発表・コメントしていない。音楽業界ニュースサイトのHypebotが伝えた。
これにより、有料ユーザーのみ無制限に歌詞が表示できるようになり、無料ユーザーには有料プランへの切り替えを勧める通知が増えた。かねてSpotifyに有料会員の拡大を働きかけてきたメジャーレーベルには朗報だろう。
無料会員への提供件数を減らすことは作詞家への支払いが減り、コスト削減にもつながる。また、歌詞表示の有料化は、有料プランのバンドル化や、導入間近と噂されている最上位の定額プラン「Supremium(スプレミアム)」にも関連している可能性がある。
合わせてSpotifyは3月、有料プランを「バンドル」扱いに再分類すると発表。ストリーミングサービス事業者はバンドルプランを導入すると、米国のソングライター・音楽出版社に支払う強制ライセンス料の支払いを低く抑えることができる。これを受け、同国の著作権管理団体MLC(Mechanical Licensing Collective)は5月16日、Spotify現地法人を提訴した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「バンドルについて解説。Spotifyでポッドキャストなど音楽以外を聴く層が増えており、これに合わせて同社は有料会員向けにオーディオブックを強化していた(日本は未対応)。今回、アメリカで有料プランを、オーディオブックも音楽も無制限に聴けるバンドル扱いにしたことで、作詞作曲家への支払いが制度上、減ることになり、同国の著作権管理団体が反発し、提訴している」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。