音楽生成AIで人気のSuno、1.3億ドル調達 企業価値5億ドルに
音楽生成AIサービスを手がける米新興企業Sunoは5月21日、最新の資金調達ラウンドで1億2,500万ドルを確保したと発表した。これにより、同社の企業価値は5億ドルに達する見込み。この資金を元に、従業員を増やし、製品開発を加速させるとしている。
Sunoはジャンルや曲調、演奏する楽器などをプロンプトとして打ち込むだけで高品質の音楽が生成できるとして、グラミー賞受賞者から一般人まで幅広く利用されている。同社によると、約8カ月前に最初の製品をリリースしてから、およそ1,000万人がサービスを利用した。歌詞はOpenAIの「ChatGPT」を、音楽とボーカルは自社独自のアルゴリズムを用いてそれぞれ生成される。
同社の投資家には、ベンチャーキャピタル(VC)のライトスピード・ベンチャー・パートナーズやファウンダー・コレクティブといった企業のほか、ソフトウエア開発企業GitHubのCEOを務めたナット・フリードマン氏、AppleでAI開発を率いたダニエル・グロスらも名を連ねる。
一方で、Sunoはライセンス契約なしに著作権で保護された音楽をトレーニングに用いている可能性も指摘されている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「数ある音楽系の生成AIのなかでもボーカル・歌詞付きでそれなりの曲を作ってくれるSunoはプロミュージシャンにも国内外で人気がある。最近、高音質のWAV形式に対応した有償のプロ版も登場。記事のとおり著作権のある曲を無断でトレーニングに使った疑いもあるが評価は高く、追加資金の調達に成功した」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。