Spotify、米国で2度目の値上げ それでも音楽の価値は下がっている
Spotifyは6月3日、米国で値上げすると発表した。7月から「Spotify Premium」の月額料金をそれぞれ1〜3ドル引き上げる。1年ぶりの値上げで、同社の株価は同日に約5%上昇した。
「Spotify Premium」の標準プランを月額10.99ドルから11.99ドル(約1,880円)に、デュオプランを14.99ドルから16.99ドル(約2,670円)に、ファミリープランを16.99ドルから19.99ドル(約3,140円)にそれぞれ引き上げる。
同社はこの値上げにより、「製品や機能への投資と革新を行い、ユーザーに最高の体験を提供する」としている。
Spotifyは昨年7月、複数の音楽業界人からの要請を受け、米国や英国を含むおよそ50市場で初めて値上げを実施した。なお、今回を含めて日本は対象となっていない。
前回分を合わせた米国における値上げ幅は、標準プランで20%、デュオプランで30%、ファミリープランで25%に上る。
また、英国では今年5月に価格を2ポンド引き上げた。
Spotifyの時価総額は約640億ドルと、ワーナー・ミュージック・グループ(WMG、154億ドル)ユニバーサル ミュージック グループ(UMG、約566億ドル)を上回る。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Spotifyがアメリカで昨年に続き値上げ。米上陸の2011年に9.99ドル/月だったのが11.99ドルに。この間、39.4%のインフレが置きているので13.92ドル/月に満たないと音楽の値段は実質、下がっている。日本の価格は980円/月で据え置きだが2016年9月の上陸時から日本では11.3%、物価が上昇している(CPI)ので、そのまま反映するなら1,107円/月となる。Apple MusicやLINE MUSICは1080円/月になっている。なおインフレを反映すると世界の音楽ソフト売上はCD全盛期の約3分の2であり、完全復活していない」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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