Spotify、車載デバイス「Car Thing」のサービス終了
Spotifyは5月23日、車載デバイス「Car Thing」のサービスを2024年12月9日に終了すると発表した。同社はこれについて、「製品提供の合理化のための継続的な取り組みの一環」だと説明している。
Car Thingは、タッチスクリーンと音声による操作で、車載スピーカーでSpotifyを利用できるもの。同社初のハードウエア製品で、販売価格は89.99ドル(約1万4,200円)。
同製品は2021年4月に限定リリースされ、2022年2月から市販が開始されたものの、同年7月には生産を終了していた。かねてセキュリティー面の脆弱(ぜいじゃく)性などが指摘されている。
Spotifyは当初、サービス終了による返金に応じないとしていたが、集団訴訟が起こされたため、5月31日には特定の条件下で払い戻しを受け付ける方針に転換した。返金額は12ドルで、サードパーティーからの購入は対象外となる。
Car Thingの後継モデルや新バージョンを開発する計画はないという。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「Spotify製の車載デバイスが不人気で終了。以前もスピーカーを出したが失敗しており、ライバルのAppleにハード事業では及ばない。Appleは人気ヘッドフォンと音楽サブスクを手掛けるBeatsを買収してハードとソフトの両事業を一気に実現した。来たる高音質プランに合わせSpotifyが音楽ハードのどこかを買収するか、提携するか、独自にこだわるか注目したい」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。