ヤマハ、新興国の公教育における音楽と楽器を使った活動の導入 8か国目はコロンビア

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コロンビアでの授業の様子

ヤマハは、5月よりコロンビア共和国の公立初等学校の正規授業内で、リコーダーを使った日本型音楽教育のパイロット授業を開始した。本パイロット授業は、コロンビアの公立初等学校23校の第4学年の児童約800名を対象に実施される。

同社は、これまで総合楽器メーカーとして、音楽・器楽を通した教育のメリットを世界各地の音楽教育現場に広めてきた。その中でも2015年より新興国を中心に展開している「スクールプロジェクト」は、音楽・楽器演奏の楽しさを伝えるため、公教育における音楽と楽器を使った活動の普及を目指したプロジェクトだ。本プロジェクトを通して7か国累計302万人(2024年3月末)の子どもたちに音楽・楽器演奏を楽しむ機会を提供してきた。このたび試験導入を開始するコロンビアは、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、ブラジル、アラブ首長国連邦、エジプトに続き8か国目の展開国となる。

非認知能力調査質問紙に回答する児童

コロンビアにおける活動は、文部科学省による「令和5年度第2回日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)応援プロジェクト」に採択されており、在コロンビア日本国大使館・現地地方教育局などの関係機関と成果や課題について検証・共有しながら日本型教育の展開を進めている。また、全ての年代に適した教育と評価のサービスを展開するInstitution for a Global Society(IGS)社と協業し、日本型音楽教育が児童のどのような「非認知能力」を育むことができるのか、IGS社が提供する児童・生徒向け非認知能力可視化ツール「Ai GROW(アイ・グロー)」で計測を行う。これらさまざまなステークホルダーとの協業を通じて、日本型音楽教育の有効性の検証、エビデンスの収集、そしてコロンビアの公立初等学校における教育の質の向上に貢献していく。

なお、スクールプロジェクトでは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標4「質の高い教育をみんなに」、目標10「人や国の不平等をなくそう」、目標16「平和と公正をすべての人に」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」への貢献、音楽教育を通した子どもたちの非認知能力の育成、そして各国の教育事情に寄り添った音楽の普及活動におけるビジネスモデルの策定を目指している。

在コロンビア日本国大使館 高杉優弘特命全権大使からのコメント

バジェナート、メレンゲ、クンビア、サルサ・・・コロンビアには多様な音楽が溢れています。陽気な音楽を聴くと、人々は踊りだしてしまいますし、郷愁を誘うメロディが流れれば自ずと口ずさむお国柄です。アンデスの険しい山岳地帯で、カリブ海岸の灼熱の地で、大自然広がる太平洋沿岸で、コロンビアの子どもたちが「スクールプロジェクト」を通してリコーダーと出会い、音を奏で、友人と一緒に音楽を作り出す楽しさを味わったならば、さらに賑やかで輝かしい未来が彼らに拓けることでしょう。この国で一歩を踏み出した本取組が実を結び、リコーダーが平和の種となることを願います。

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