YouTube、声・肖像を無断使用したAI生成コンテンツの削除要請可能に
YouTubeは6月、プライバシーガイドラインを更新し、自分の声や肖像を模倣したAI生成コンテンツの削除を要請できるようにした。申し立てできるのは、プライバシーを侵害された当人のみとなるが、例外も認められている。 ただし、削除申請をしても、必ずしもコンテンツが削除されるとは限らない。
アップロード者が当該コンテンツを48時間以内に削除しない場合、YouTubeは削除するかどうかの審査を開始する。
審査では、「コンテンツが改変、または合成されているか」「改変(または合成)コンテンツであることを視聴者に開示しているか」「個人を特定できるか」「コンテンツが現実的か」「パロディ、風刺、その他の公益的価値が含まれているか」「公人や著名な個人がセンシティブな行為(犯罪行為、暴力、製品・政治家候補の支持など)に関与するコンテンツか」 などの要素が考慮される。
なお、このポリシーに基づく動画の削除は、アップロード者に対する「違反警告(ストライク)」にはカウントされない(ストライクとなるのは、コミュニティーガイドライン違反のみ)。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「昨年夏より好きな声優などの声に人気曲を差し替えるAIカバーがYouTubeやTikTokで席巻してきた。YouTubeはユニバーサルミュージック等の協力を得てアーティストと契約してYouTubeで使える公式アーティストAI(Dream TrackやSandbox )を開発した一方、無断でアーティストの声や曲を学習したAI楽曲は削除できるように体制を整えた」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。