Spotify、米国でオーディオブックなしプラン導入 通常プランの価値の92%が音楽

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Spotifyは6月21日、米国で新たにオーディオブックなしの個人向けプラン「ベーシック」を導入した。月額10.99ドル(約1,755円)と、プレミアムプランより1ドル安くなる。

個人向けプレミアムプラン(プレミアム・インディビジュアル)は、月額11.99ドルでオフラインでの広告なし音楽と15時間のオーディオブックが聴ける。デュオとファミリーには15時間のオーディオブックが含まれるが、プランマネージャー(主契約者)に限られる。

全プランにポッドキャストが含まれるが、その99%は複数の無料プラットフォームで利用できるものだ。

音楽業界ニュースサイトのHypebotは、オーディオブック追加の差額が1ドルであることで、「Spotifyは通常11.99ドルのサブスクリプションの価値の91.67%が音楽に起因することを暗に認めている」と指摘した。

Spotifyは3月、有料プランを「バンドル」扱いに再分類すると発表。バンドルプラン導入により、米国のソングライター・音楽出版社に支払う強制ライセンス料の支払いを低く抑えることができ、NMPA(全米音楽出版社協会)はSpotifyの支払額が年間1億5,000万ドル(約242億円)縮小すると分析している。これを受け、同国の著作権管理団体MLCはSpotifyを提訴した。

(文:坂本 泉)

榎本編集長「SpotifyはPodcastに続きオーディオブックに近年、アメリカで注力してきたが、原点回帰でオーディオブック込みのプレミアムから1ドル安い音楽特化のベーシックプランを用意。アプリ内でノンミュージックの消費時間が増え続けているが、音楽の経済的価値は依然として高いだとHypebotは捉えている」

ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。

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