ストリーミング詐欺で年4500億円超の損失か 詐欺撲滅へBeatdappが提携拡大
ストリーミング詐欺の検出プラットフォームを手がけるBeatdappによると、音楽のストリーム総再生回数の少なくとも1割が詐欺で、これにより世界の音楽産業から毎年20億〜30億ドル(約3,130億〜4,690億円)が失われている。Beatdappは詐欺撲滅に向け、さまざまな企業と協業しており、7月9にはDJ向け音楽配信サービスのBeatportと戦略的提携を結んだ。
Beatdappは、ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)のレーベルやNapsterと協力し、ストリーミング会社が提供するさまざまな指標を測定してストリームを追跡することで、ストリーミングの習慣の特定と不正の検出を行っている。
詐欺グループは、アーティストのふりをして何百万もの楽曲をストリーミングサービスにアップロードし、偽のアカウントや情報を盗んだ本物のアカウントから再生。これにより、本来であれば実在のアーティストの楽曲の権利を持つ者に支払われるはずの印税を徴収している。
英国のミュージシャン労働組合(The MU)の事務局長補佐は、ストリーミングサービスが「ユーザー中心」の課金モデル(リスナーの月額使用料を彼らが聴いているアーティストに分配)に変更することで不正行為に対処できるとの見方を示した。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「アーティストになりすまして音楽売上を掠め取るストリーミング詐欺は音楽のストリーム総再生回数の何と1割で、30億ドル近くを詐欺グループに掠め取られているがミュージシャンたちの関心は低めだ」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。