日本音楽専門の海賊版リーチサイト「hikarinoakari.com」が閉鎖、レコ協が法的措置
日本音楽専門の海賊版リーチサイト「hikarinoakari.com」が、7月に閉鎖された。当該サイトは、日本レコード協会会員社を含む複数の日本国内レコード会社が制作、販売していた音源を、約10年間に渡りレコード会社等の権利者から許諾を受けることなく大量にインターネット上にアップロードし、誰でもダウンロード可能な状態にしていた。
同協会及び国際レコード産業連盟(IFPI)はこれまで、「hikarinoakari.com」の運営者に対し、当該サイトおよび違法にアップロードされたファイルの削除を繰り返し求めてきたが、ファイルが削除されることはなかった。また、同協会は2017年から当該サイトのリンク先の実際に音源が蔵置されているサイバーロッカーの運営会社に対しても削除依頼を継続して実施していた。このような状況を受け、違法行為の責任追及に向けた当該サイト管理者の特定を目的とし、当該サイトが使用するコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)「Cloudflare」に対して米国において情報開示命令を7月3日に取得した結果、開示命令直後に運営者によってウェブサイトが自主閉鎖された。同協会は、Cloudflareから今後開示される情報をもとに、引き続き運営者に対する責任追及や同種の違法サイトへの法的な対応を行っていく予定だ。
なお、「hikarinoakari.com」は日本国外のサーバーを用いて2014年頃から運営されており、2024年のサイト訪問者数1,575万のうち75%が日本国外からのアクセスによるもので、特に海外で人気の高いサイトだった。違法にアップロードされたものと知りながら音楽をダウンロードすることは、個人の聴取・視聴目的であっても刑事罰の対象となる可能性がある。また、膨大な時間と労力をかけて音楽を制作するアーティストやレコード会社に届くはずの対価が違法行為者に奪われている状況は、音楽文化そのものの衰退に繋がっていく恐れがある。
日本レコード協会は「今後も、音楽文化の発展に寄与すべく、海賊版サイトの撲滅に向けた継続的な違法対策に取り組んでまいります」と伝えている。