米超党派議員、ディープフェイク規制法案を提出 コンテンツの無許可使用を違法に
米上院で7月11日、超党派議員3人が新たなディープフェイク規制法案「COPIED法案」を提出した。この法案で特に重要なのは、新聞社や放送局、アーティスト、その他のコンテンツ所有者に対し、コンテンツを許可なく使用するプラットフォームなどを相手に訴訟を起こす権利を与えることだ。
COPIED法案は「Content Origin Protection and Integrity from Edited and Deepfaked Media Act(編集やディープフェイクされたメディアからコンテンツの出所を保護するとともに完全性を確保する法案)」の略。レコーディングアカデミーや全米レコード協会(RIAA)のほか、音楽業界外からも支持されている。
この提案は、AIが生成したコンテンツのマーク付けや認証、検出に関する連邦政府の新たな透明性ガイドラインを設定し、ジャーナリストや俳優、アーティストをAIによる窃盗から保護するとともに、違反者にその責任を負わせることを目的としている。
具体的には、クリエイターが自分の作品に電子透かしを入れられるようにし、その出所情報を削除することを禁止。AIが生成した(または操作された)コンテンツを認識する方法に関する基準の設定なども求めている。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「アメリカでディープフェイクを規制する法案を超党派が提出。音楽業界も支持。一方でユニバーサルミュージックがYouTubeと公式のアーティストAIを開発する動きを見せており、またテネシー州では「声の肖像権」を認めるエルヴィス法が可決されており、AIでアーティストが稼ぐ土壌が整いつつある」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。