ディズニー、生成AIの AudioShakeと提携 古い録音の活用拡大
AIを活用した音楽ソフトウエアを手がける米新興企業オーディオシェイク(AudioShake)は7月15日、ディズニー・ミュージック・グループ(DMG)と提携すると発表した。 DMG はオーディオシェイクの音源分離技術を使用し、古い録音物の用途を広げる考え。
オーディオシェイクは、AIを使って音楽トラックをリミックスやサンプリングなどに使えるステムに分解する技術を保有。例えば、マルチトラックが利用できない録音で、ボーカルやダイアログを楽器から分離できる。
DMGのカタログには、ミッキーマウスの初期の録音なども含まれるが、これら古い録音物はステムを持たず、シンクライセンスやリマスタリング、イマーシブオーディオ、リリックビデオのような新しいフォーマットでの使用が制限されているのが現状という。
また、 DMGは今回、オーディオシェイクの自動歌詞書き起こしツールへのアクセスも獲得。カタログのメタデータの強化やリリックビデオなどのフォーマットを拡大する方針という。
オーディオシェイクは昨年5月、270万ドル(約4億2,300万円)を追加調達。累計調達額は500万ドルを超える。
(文:坂本 泉)
榎本編集長「楽曲から歌やドラムなどトラックを抽出する生成AI、AudioShakeはプロの現場でも普及が進みつつあるが、ディズニー・ミュージック・グループと提携した。この技術を使うと古い音源のボーカルだけ抜いて新しいオケに差し替えたり、イマーシブオーディオ、リリックビデオなど新フォーマットに対応できるようになる。DMGの傘下にはクイーンの音源を保有するハリウッド・レコードもある」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。